学園生活、スタートです。
「お主らで同じ部屋を使ったらどうじゃのう?」
いやいや。いくら魔族の娘だからって女子と二人で部屋を使うとかちょっと俺には...
「嫌かのぅ、高山君?君の使っている部屋は確かもう一人入れる二人部屋だったろぅ。何より君は彼女のこの姿を見てしまっている。他の生徒に彼女の正体を知られるわけにはいかんのだよ。どうか頼めないかのぅ?」
「わ、私もっ!あなたが側にいて下さるなら安心なのですっ!お願いできませんかっ?」
うーん...ルルのこんな熱視線を浴びると、嫌とは言いにくいな...まぁ、他に頼れる人もいないんだろうし...
「いいですよ。」
「ありがとなのですーーっ!」
まーた急に抱きつく。
「よし。ルル君。君にはこの学園で高山君たちと一緒に生活してもらうよ。明日は、こちらで必要なものを彼と買いに行くといいじゃろう。明後日には、転入生として高山君と同じクラスで学園生活を始めるとしよう。」
そして俺をその眼光で射抜き、
「高山君、よろしく頼むぞ。」
と言った。
「はい。任せてください。」
俺も真っ直ぐに学園長を見据えて言った。
ルルのテレポートで俺たちは部屋に戻った。
「ふぅ。これで一旦落ち着いたな。」
「はいっ!本当にありがとございますっ!...えーっと、まだお名前をお聞きしてなかったのですが...」
「あぁ、そうだっけ?高山瑞生だよ。呼ぶときはミズキでいいよ。」
「ミズキ...ですねっ、では」
彼女は姿勢を整えると元気にこう言った。
「ミズキ、これからよろしくお願いしますなのですっ!」
こうして、ごくごく普通な俺と、彼女の学園生活がスタートした...!