突如女の子が出現しました。
こんにちは!こんばんは!SESHILと申します。
初投稿の第一作、興味を持っていただけたら幸いです!
それは、月の満ちた夜のことだった。
いつものように夕食を食べ、風呂に入り、寮に戻って寝る。
俺、高山瑞生はそんなごく普通の学園生活を繰り返そうとしていた。
「はぁー...」
椅子の背もたれに寄りかかって深いため息をつくと一日の疲れが体を駆け巡った。だが!俺には寝る前にしなくてはいけないことがある。それは...!
今大流行の恋愛シュミレーションゲーム「I❤world」であった。
獣耳の少女が生活する町から、サキュバスたちの魅惑の洞窟まで、7つの種族が暮らす世界で自分の好みの女の子を選んで恋をする、というゲームだ。
皆様お気づきかもしれないが、俺はリアルな恋愛をしたことがない。いわゆる、「年齢=カノジョいない歴」というやつである。
だが俺はもう愛だの恋だのに翻弄されることはやめたのだ。
中学時代に席が近くなり仲良くなった女子に勢いで告り、見事に玉砕され、それがカースト上層部の女子だったために
「あいつ、まだ〜のこと好きらしいぜ」
みたいなことを学年終わりまでヒソヒソと言われ続けた...
という黒歴史から学んだのだ。
今の俺なら、昔の自分を止めに行ってやる。「おい、やめとけ。
軽率な行動をとって自分の心をえぐりに行くんじゃない。」
と。
まぁ、そんなことを脳内解説しながら、部屋の電気を消し、昨日の続きの画面を開いた。
すると、一人の少女の姿が映し出される。年齢は俺より2つ、3つ年下の美少女だ。7つもある種族の中からわざわざ人間を選んでしまう自分に、未練がましいなと微笑し
「おかえりなさい!」と笑顔で迎えてくれた彼女に返事をするため台詞を選択しようとしたその時だった。
聞いたことのないような「シュン...シュン...」という音と共に突如部屋にまばゆい閃光が走った。
「?!」
俺は思わず目を伏せ、光が止むのを待った。
目を上げるとそこには...さっきと変わらないパソコンの画面に美少女が映し出されていた。
「何だったんだよ...」
部屋に異常が起きていないか確認するため、俺は部屋の電気をつけた。
するとある異変に気づいた。部屋の一角に見覚えのない物体があったのだ。3秒ほど思考停止した末に、とりあえず近づいてみることにした。
何かあったらすぐ逃げられるようにと、部屋のドアを全開にして、いざ行くぞ!と意気込み一歩踏み出すと...
物体がムクリと起き上がり、目が合った。
よく見るとそれは
ペタリと床に手をついて座った女の子だった。