表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/65

ふたつめの話 1


 まずはこの物語の主人公である佐藤茜について説明しよう!

 彼女は、どちらかと言えばモブキャラ的立ち位置にいる人物である。

「なぁ、このくだり必要か?」

 必要だとも!

 なにせ、今回は舞台が違う。

 今回の話における彼女は、中学生だ。

 見た目は高校のときとそう変わらない。

 黒髪黒目。髪型は高校のときと同じで――ああいや、この場合は昔から変わらず同じ髪型を続けてきたというべきか――後ろ髪は肩口のあたりで、前髪はわずかに目が隠れるかどうかのあたりで切り揃えていた。

 身長は百六十センチ。体重は――乙女の秘密であるので伏せておこう。

「…………」

 先ほども言ったように、今回の彼女は中学生である。

 彼女の通う中学は普通の学校だ。

 髪型には多少の規制があるし、制服の着方ひとつ取っても文句を付けられることもある風習や校則があった。

 そんな環境において、彼女は校則を遵守して上は黒のセーラー服をきっちりと着込み、下はプリーツスカートをしっかり膝下まで伸ばしていた。その上で膝上にまで届こうという靴下を履いており――どうやら肌を出さないことに命をかけているかのような服装は、この時代から継続していたようである。

 さて、私が彼女をモブキャラと評する所以は、彼女自身の境遇に特筆すべき点がひとつもないことにある。

「流石に何度も繰り返されると腹が立つんだが?」

 おっと、それは失礼。

 しかし、これは君をバカにしようとして言っている訳ではないのだ。

 君自身には、確かに世に広まる娯楽小説の主人公みたいな特徴はないのかもしれないが。

 君はこの時期に、そういった物語で描かれる出来事に近いことを体験しているんじゃあなかったかな?

「…………」

 だから。

 たとえその身の上に特筆すべき点がひとつもなかったとしても。

 今回の話に限っては、ただ彼女自身の意思のみで、ただのモブキャラとは一線を画す特別性を手に入れたのである。


 では、物語を始めよう!


「あの面倒を語る羽目になるとは……まぁいい。

 今回は、悪魔と戦う正義の味方のお話さ」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ