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かぐや  作者: 米沢サユリ
4/5

真実

 その村は、人は少なかったが、小さなお店もあり、とても生活がしやすそうなところだ。もう遅い時間になっていたので、店じまいをしてはいたが、とてもおいしそうなものも並んでいた。まあ、お金がないので、買うことはできないし、あまりおなかは減ってないのだけれど、それでも、おいしそうな食べ物っていうのは食べたくなるものなんだな……

それにしても、やはり周りの人たちの私に向ける視線というのは、やはりおかしかった。というのも、全く目が合わないのだ。

 今の私の服装は、今は比較的質素な服装をしてはいるものの、これだけだれにも話しかけられないなんてことがあるのだろうか。こっちから話しかけないとだめなのだろうか。

 とりあえず、村の人に声をかけてみよう。私の噂はこっちにも着ているはずだし、私の家の方向も教えてくれるはずだ。

家の前で、掃除をしていた女性に声をかけた。

「あの、すいません」

 しかし、女性は全く私に気がつてないようだ。

「すいません」

 女性は、黙々と法規を掃き続ける。舞い上がった土埃が、私と女性の間に立ち上る。

「すいません!」

 私は思わず声を荒げて、彼女のことを押した。いや、押したはずだった。

私は、彼女に触ることができなかった。

彼女に触ったはずの手は彼女を突き抜け、バランスを崩した私は、彼女を突き抜けて、地面に倒れてしまった。彼女はそれにももちろん気がつかずに、ほうきを掃き続ける。

「どうして……」

 私がいままで誰にも声をかけられなかったのは、私に気がついてなかったということなのか……。たしかに、向こうから何も見えてなかったら、声をかけられることもないだろう。

でも、なんでこんなことに……。わたしは、月に帰るはずだったのに、他人の目に映らない姿のまま、地球に残っている。

では、私の見える体、実在する体は、いったいどこにあるというのだろう。地球のどこか、私の家の近くにあるのか、それとも、もう月に帰ってしまっているのか……

どのみち、人に物事を聞けないようでは、ことは何も進まない。今の私は、地球の、どこかわからないところにいる。それしか、私にはわからなかった

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