第一話世界戦略
この作品はフィクションです史実とは関係ありません。
「日ノ本組は朝鮮をどう分析したのかね?」
「朝鮮は九州の真北にありますが、西国の温暖な気候ではなく気候は寒冷
であり主力を西国大名ではなく東国大名にするべきであります。しかし明が
介入してくるので勢力を広げるならば」
日ノ本組とは秀吉の甥の秀次が作らせた秀吉直属の諜報組織である。
甲賀の忍者や、他の大名から忍者を引き抜きいて主力とし異国に詳しい者
を集めできた日本一の諜報集団と言われている。
秀吉は日本を統一した後海外に関心を寄せていた。世界征服とまではいかない
までも、海外に侵攻しようとしたのは明らかであろう。武力だけではなく国を
富ますのは貿易だと思っている。日ノ本組は極秘のうちに南蛮船の作り方をヨ
ーロッパ人から盗み出し、ヨーロッパ人の軍事に詳しい者を迎え入れたりして
いる。それで秘密裏に豊臣直属軍団を作った。
「豊臣直属軍団は日本最強だが全国の大名に軍勢を派遣
させねばならない。戦いは数を揃えて行うものよ。」
と秀吉が言った。
豊臣直属軍団の陸上歩兵兵力は一万二千人であり、量より質というイメージが
強く先鋭中の先鋭である。特に西洋馬を輸入して作った日本初の騎兵が千人で
あり、今まで日本に無かった馬車も導入そして西洋から輸入した火砲が五百門
、そして一番大きいのが今まで日本に無かった概念の 歩兵 砲兵 騎兵 の
「三兵編成」である。ちなみに駐屯地は大阪城の周りに駐屯させてある。豊臣
直属艦隊は百隻のガレオン船から出来ていて、海外侵攻も可能になっていた。
「日ノ本組を明と朝鮮に潜伏させてある。琉球の西の高山国と北方の偵察
をさせようと思う。笠長はどう考えるか?」
神亀笠長は言った「高山国は未開の地で国とはぜんぜん呼べません。朝貢
を求めても返事が無いのが良い例でしょう。琉球を併合し大名とした後攻略
するのが一番でしょう。南蛮との交易拠点となります。」
「琉球をどう扱うかだな尚寧を大々名として扱い徳川家康や毛利輝元と
同じ扱いにさせるか?」
「南蛮馬や鉄砲、大砲、南蛮船を送り友好の意志を伝え、高山国に進攻
させます。島津への牽制となります。我が直属軍団と合同演習させれば
効果的でしょう。」これが笠長の返事。
「しかし尚氏は唐に朝貢しているからな・・・」
秀吉の口が止まる。
実を言うと日ノ本組の潜伏組から情報が届いたのだ。
内容はというと「唐に朝貢している国は本気で唐が中華(世界の中心)であり
最も強大であると信じていて、問題に関わると唐の王朝が強大であるとき
に必ず介入する。そしてその問題を解決するには最大限の待遇をあたえてやるべき。」
と笠長の家臣に届いた。
「家康などと並ばせるには軍事力が足りないから良いと思うぞ。」
これで朝鮮出兵計画が帳消しとなり、高山国出兵が決まった。