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第四十三話 結婚してないのに離婚して再婚すな



「食べて!」


「食べない!」


 先ほどからその押し問答がずっと続いている。

 どうしても食べさせたい凛々子と、何があっても食べたくない俺。二人でにらみ合いが続いていた。


「なんで!? ぴっぴはわたしの旦那様なんでしょ? だったらちゃんと食べてよ!」


「いいや、食べないね。うちは自分で食べたいものは自分で用意する家庭にする! 共働き、財布は別々、生活費は折半、男女平等で夫婦別姓! そういう家庭でいこう!!」


 今の日本で夫婦別姓が大丈夫なのかは知らない。政治よりも俺はアニメのパンツの方が好きな健全男児なのだ。ただ、あまりにもハンバーグが食べたくなさすぎるので、政治的な正否はよく分からないけど適当なことを言っておいた。一番炎上するタイプの触れ方である。


 しかし、凛々子も引く気はないようで。


「はぁ!? わたしは専業主婦でお金の管理もします~。名字はちゃんと『太田』にするし、ぴっぴが我が家で一番偉い人間になるし、夜のお店にも行っていいし、子育てはしなくていい家庭にするからねっ」


「昭和かよ!!」


 時代に逆行しすぎている件について。

 男女平等とか、一途さとか、そういうことは一切俺に求められていなかった。


「本当にそれでいいのか? 凛々子……お前だって働いて稼ぎたいだろ? 悔しくないのか、男の下だと思われる人生は! 性別が違うだけで、俺とお前は同じ生物。対等でいたいと思わないのか!?」


「思わない! 専業主婦って楽でいいじゃん? なんで女の子が働く世の中にしたいのか意味わかんない! わたしは働きたくなんてないもんっ」


「子育ては大変だぞ?」


「子育てだけ二人でやればいーじゃん?」


「たしかに!」


「ぴっぴは仕事と子育てでたいへんだけど、わたしは家事と子育てでいいんでしょ? じゃあ専業主婦がいい!! かわいい子供と一緒にずっと家でゴロゴロしたいもんっ」


 潔い。あと、清々しい。

 こいつ、女性であることで得られる甘い蜜をたっぷり吸いまくろうとしている!!


「俺は絶対に認めないぞ!」


「認めないことを認めないからね!?」


「上等だ……こんなに考えが合わないなんて知らなかった!」


「わたしも、こんなに男としてよわよわだと思わなかった!」


 お互いに考え方や価値観が合わない。

 ここまでくると、もう俺たちはこうするほかないだろう。





「「離婚する!!」」




 同じタイミングで叫ぶ俺と凛々子。

 こうして俺たちは、違う人生を歩むことになった。


 愛する妻を失って自暴自棄になった俺はブラック企業で働き続けて体を壊して、生活保護のお金をもらいながら余生をネットでレスバすることだけが生きがいの人生を歩むのだった。


 凛々子は異性と遊びまくって悪い男に散々貢いで破産し、小金持ちのいやらしいおじさんと結婚して何かと引き換えにそこそこいい暮らしを送ることになるのだった。


 めでたし、めでたし――と呼ぶには、最悪な結末では?

 あくまで妄想の話だけど、普通に引いた。凛々子はまだ救いようがある……か? いや、結構たいへんそうな人生だけど、俺も最悪なので、不幸でしかないだろう。


「……やっぱり離婚やだぁ。ぴっぴがいいっ」


「お、俺も、凛々子がいい……!」


 二人とも離婚のことを想像して、ちょっと喧嘩したことを後悔する始末。

 そうだな。うん……ごはんがまずいことくらい、我慢してもいいかもしれない。


「ごめんね。わたし、今度からもっとレシピ通りに作ることにするから、捨てないで」


「……俺も一緒に作るよ。二人でがんばろう」


「うぅ。ぴっぴ、好き! やりなおそ?」


「ああ、そうだな。やりなおそう!」


 よし、再婚だ!

 そうして俺たちは熱い握手を交わして、再び結婚するのだった。


 まぁ、もちろん全部妄想の話なのだが。

 うん……凛々子とはやっぱり、仲良くしていたい。


 その方が、きっと幸せなはずだから――。


【あとがき】

お読みくださりありがとうございます!

もし続きが気になった方は、ぜひ『ブックマーク』や下の評価(☆☆☆☆☆)で応援していただけると、更新のモチベーションになります!

これからも執筆がんばります。どうぞよろしくお願いしますm(__)m

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