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第6話:殺気を感じる……

 次の日。僕は昨日の出来事を払拭するために、彼女たちとバラバラで登校する──なんてことは、不登校になる原因になってしまうので、結局3人で登校する。


 3日目にして、すでに登校時の視線には慣れてしまっているが、さすがに手は繋がずに学校に着いた。


 そして、教室のドアを──ガラガラガラ。


「「「「「あ、来た」」」」」


 あ、終わった。


『あ、来た』が僕が教室に入って最初の一言だよ? もう希望なくない?


 とりあえず僕は何も気づいてないのを装いながら自分の席に向かう。出席番号早いから廊下側の席で助かった。


 あははー、僕がきりとえいなと談笑していると、


「なー、俺もそう思うぜー!」


 と言いながら、にっこにこのクラスメイトの男子が僕のもとに来た。


「だから、さ?」


 その言葉とともに、彼は僕の肩をガシッと掴んだ。


 僕は壊れたロボットのように、ギギギ、と音が聞こえそうなほど怯えながら、彼の方へ顔を向ける。


(目が……目が笑ってないから……!!)


「ちょっとあっちで、お・は・な・し、しないかい?」


 親指を立ててくいっとするように、彼は背後を示す。


 そちらには、さっきめっちゃ真顔で『あ、来た』と言っていた集団があるわけで……。


「──きり、えいな」


「「ん?」」


「墓は建ててくれよな!」


「よーしいい覚悟だー!」


 僕は天使のような笑みを顔に貼り付け、2人にサムズアップしながら引きずられていったのだった。


 ──完。


「えと……」


 すると、そんな僕を見ながらえいなが表情を変えないまま口を開く。


「わたしまだなんのことか、よくわかってないけど……」


 そうだった、えいなはちょっと鈍いんだったー!



「あんまりおいたはしないで、ね……? そーたは、大切な人、だから」



 ……っ。


 そんなえいなの言葉に、僕は顔が赤くなりそうに──なった瞬間、肩を掴む力が強くなって現実に引き戻された。


「大丈夫、音海さん。『お話』するだけだから」


「ならいい、けど……」


 ……あれ、たった今僕が救われるターン終わった?


 ◇◆◇


「んで、彼女なの?」


 んぐっ……!


 窓際の凪くんの席のまわりに集まった大半のクラスメイトに僕は囲まれ、早速ぶっこんだ質問が飛んできた。


「友達!」


「それにしては距離近いけどなぁ……」


「んね。あと、あの2人めっちゃ可愛くない!?」


「俺らが蒼汰をここに呼んでるってことは、そういうことだもんな」


「そ、それは僕もおととい初めて会ったからめっちゃ思ってるよ……」


 あのときはさすがにびっくりしたなぁ……ずっと話してた女子が、めっちゃ美少女だったんだもん。


 って、なんかみんな静かにな──。


「ちょっと待て。おととい!?」「え、あんだけ仲良さそうなのに、おとといなの!?」「殺す殺す……」「このハーレムが……!」


 うーん……失言しちゃったやつだこれ。あと、後半2人の殺意高いって……!

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