表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/22

第21話:体育祭が始まるよ

 あのあと30分くらい経ってもえいなは目が覚める様子がなかったため、えいなの家を知っているきりに案内してもらって、おんぶをしながら連れて行った。


 えいなのお母さんに「まぁ……!」って言われてから、それの弁明するの大変だったなぁ……。


 そしてゴルデンウィーク最終日。


 この日はもちろん──はい、課題で潰れました。


 2人はちゃんと課題やったのかな、と思いつつ、僕たちの初の長期休み、その最終日を終えた。


 ◇◆◇


 次の日の7時45分。いつも通り僕は高崎公園で2人を待っていた。


「「お"ばよ"ぉ……」」


「……ん?」


 なんか、濁音じゃなくて汚濁音くらい必要な声が聞こえたような……。


 僕が声がした方へ体ごと顔を向けると、そこにはゾンビのような歩き方になっている女子生徒2人がいた。


 多分……たぶんきりとえいなだろう、うん。


「えっと……大丈夫?」


「大丈夫に……見える?」


「見えないなぁ」


「久々に一睡もしなかっただけだから……!」


「『だけだから』じゃないんだよねぇ。もしかして、課題?」


 僕がそう問うと、2人はあからさまにビクッと肩を揺らす。


 うん、図星だね……。


「ま、まぁとりあえず学校行こっか!」


「「ん……」」


 ◇◆◇


 ゴールデンウィーク明けだからといって、特に何か変わることなく授業は進んでいった。


 お昼はだいぶ少なくなってきた殺意の視線を浴びながら3人で一緒に食べ、午後の授業の準備をする。


 ──と、いつもならそのまま準備が始まるのだが、今日は変則的だった。


 キーンコーンカーンコーン──。


「はい、それじゃ早速、体育祭の話始めますよー」


 佐藤先生の言葉で5限目が始まった。


 ──そう、体育祭である。


 高崎高校では、ゴールデンウィークが明けてから2週間ちょっと先の5月24日に体育祭が行われる。


 そのため、明日からの12日間は午後の授業がなくなり、練習に当てられるのだ。


 高校入学後、初めての学校行事……! 運動は好きでも嫌いでも無いけど、ワクワクはしちゃうよね……!


 きりはどちらかというと運動は得意な方らしく、体育祭は苦ではないらしいが、えいなは体を動かすのが苦手なようで……。


「それじゃ、学級委員長の早乙女くん。よろしくね」


「はい」


 爽やかな笑顔を浮かべながら、早乙女くんは教卓に向かった。


 そして息を大きく吸い──。



「お前らああああああ!!! 体育祭だぞおおおおおお!!!」



「「「「「うおおおおおおおおおおおおお!!!」」」」」



 祐希くんを筆頭に、早乙女くんの言葉にのるように声を上げた。


 高校生の体育祭は────戦場なんだから!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ