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第15話:ガタンゴトンスヤァプイッ

(3/3)

 ガタンゴトンという音とともに僕たちの身体が上下左右に揺らされる。窓からはあたたかい夕日が差し込んでいた。


 窓際に椅子が1列に並べられているタイプの電車で、正面の窓から差し込んでくるから少し眩しいけどね。


 時刻は5時。僕たちは八王子駅から北八王子駅に向かっていた。


「疲れたぁ……」


 きりは大きなため息をつきながらそう言った。


 もともとこんなに遅くなる予定は無かったんだけど、最新機器とか見てたら興奮しちゃって……。


 ……主にえいなが。




『う、うおおおお……!! な、なな……なんだこれ……! グラフィックがヤバいヤバいヤバい……え、これ企業用とかと間違えてない? おおぅ……容量も桁が違う……最新機器追うのちょっとサボってた間にこんなの出てたなんて……くっ、でもさすがに値段も高い……! って、あ、あれは──』




 えいなはいつもとは比べものにならないほど、っていうか僕たちも初めて見るレベルで饒舌になっていた。


 その熱がすぐに収まるわけもなく、気づいたらこの時間に……ということであった。


 ちなみに、今えいなは僕の右肩に頭を乗せて、静かに寝息を立てていた。ほおをくすぐる髪の毛が少しむずかゆい。


 いつもとは比べものにならないほどに興奮してたから疲れちゃったんだろうねぇ。


 正直あの姿可愛かったから、今その真逆の様子になってるのもめちゃくちゃかわいい。


「はい今えいなのことかわいいって思ってました」


 すると、僕の左の脇腹を急にツンツンされ始めた。


 そっちを見ると、ムスッとした表情のきりが顔は正面に向けたままひたすらツンツンしてきていた。


「いやまぁ……そりゃあれは誰だって思うくない?」


「いや、かわいいって思うこと自体はいいんだけど……」


「だけど?」


「えいなのことしか頭になくなってそうで」


「えっと……?」


 つまりどういうことだ……?


「私のこと忘れてないかなーって!」


 きりは照れながらそう言う──なんてことはなく、さらにムスーっとした様子でそう言ってきた。


 あ、あーそういうことね! なーんだそんなことかぁ……。


「ごめんごめん。きりとえいなのことを忘れるなんてことするわけないから気づかなかったよ」


 もー、まさかそんなことだとは。僕が一瞬でも2人のどっちか片方でも忘れるなんてするわけないからその考えは無かったよ。


 あははー、と僕が小さく笑っていると、脇腹へのツンツン攻撃が止み、かわりにほっぺをツンツンされたりつままれたりされ始めた。


「ちょっ……きりさん?」


「そーたんが悪い」


「え、ええ……?」


「……そーたんが、悪いっ!」


 左のほっぺに人差し指を立ててグリグリされる。


 えー……なんか急に攻撃力上がったんだけど。


 プイッと効果音つきそうなくらい、ほっぺを膨らませながらそっぽを向くきりの顔は、夕日で照らされる以上に赤かった……気がした。




 ちなみに北八王子駅に行ったのは、えいなの好きなご飯屋さんに行くためだったので、それだけ食べてまた電車に乗りました。


 すごい美味しかったし、2人の幸せな表情も見れて満足しながら帰ったのだった。

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