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03【ギルド】

 僕はレイサと一緒に町に入り賑やかな商店街を通り抜けるとその先には大きな建物が立っている。

 遠くから見えた建物と同じだ。ここがギルドらしい。

 レイサに連れられ建物に入るとそこにはRPGでよく見るギルドと似た感じだ。なんだか懐かしく感じる。

 受付で依頼を受けているだろう男性や奥のテーブル席で料理を食べている男女など数多く居る。

 それら皆、多彩な武器や防具を着けている。


「ここがギルド……凄い人の数だね」

「これでも中規模くらいかな? 王都とかだとこの倍は居るわね。冒険者登録はこっちよ」


 受付で冒険者登録用紙に名前などを記入した後、受付嬢が机の下から何か道具を取り出した。

 それは丸い透明の水晶だ。


「では、この水晶の上に手を乗せてください」

「あっ、はい」


 僕は水晶に手を乗せると透明な水晶は徐々に色が変わっていった。

 透明だった水晶はあっという間に綺麗な青色に変わっていた。


「青色なので適正職業は白魔導師ですね」

「白魔導師? ただの魔導師とは違うんですか?」

「えっとですね―――」


 受付嬢が言うにはこの世界には回復魔法や支援魔法が得意な白魔導師。攻撃魔法が得意な黒魔導師が居る。

 他にも筋力がある人は剣士、集中力が高い人はレイサみたいなアーチャーやガンナーになるらしい。

 僕はその場でギルドから1メートルほどの魔法の杖を貰った。分かりやすく言うのなら入会特典みたいなものだ。

 杖の先端には水色の宝石が輝いている。


「レイサ、おまたせ。冒険者登録終わったよ」

「おかえり~。杖ってことは魔導師なのね。白?黒?」

「白魔導師だったよ」

「それならサポート系ね。それじゃぁ冒険者登録も終わったことだし町を案内してあげるわ」


 僕はレイサと一緒に町を巡り歩いた。

 小さい町だが市場や雑貨屋など元の世界にあったようなお店や武器屋、魔道具屋など変わったお店も色々ある。

 

「ところでナギサはこの町に来たばかりみたいだけどどこに泊まるの?」

「そういえばこっちに来たばかりでまだ考えてなかったよ。泊まれる場所ってある?」

「宿屋ならすぐそこにあるわよ」

「それなら助か――あっ! お金無いんだった……」

「だったら私の家に泊まるのはどうかしら? 部屋も余っているし」

「えっ!? 僕なんかで良いの?」

「別に女の子同士だし気にしないわ。それにまだまだ話したいからね」

「それじゃお言葉に甘えるよ。よろしくねレイサ」


 異世界に転生してしかも女の子になっちゃったけどなんだかこの世界でもなんとかやっていけそうな気がする。

 急に緊張が解けたのかお腹の音が鳴ってしまった。


「あっ……そう言えばまだ何も食べてなかったっけ。取り敢えずまずは少しでも稼がないと……」

「それじゃギルドで食事でもしましょう。冒険者登録のお祝いに奢ってあげるわ。お腹が空いていたら魔物退治にも行けないからね」


 僕とナギサはギルドに戻り食事をすることにした。

 テーブル席に着き、メニューを見るとそこには料理の写真は無く料理名だけが書かれていた。

 異世界の文字は読めないはずだがなぜか読める。それにメニュー名で何となく想像がつく料理もいくつかあった。

 その中から僕は一番想像がつく料理を頼むことにした。


「私はこれにするわ。ナギサはどれにしたの?」

「僕はこれにしようかな?」

「それじゃ呼ぶわね。すみませーん。注文良いですかー?」


 レイサは厨房からやって来たエプロン姿の人に料理を注文した。

 しばらく待つと色々な料理が運ばれてきた。

 僕が頼んだ料理は想像していた物に近くて安心した。

 異世界で暮らすなら料理とかも覚えないといけないみたいだ。


「ここの料理美味しいのよね。それにギルドに所属している冒険者は割引あるのよ。時期によっては期間限定メニューなんてのもあるわ。」

「そうなんだぁ。詳しいけどレイサは良くここに来るの?」

「そうね。魔物退治した後に来ることが多いわ。もちろん自炊もしているわよ。苦手だけど……」


 食べながら話していると僕たちのテーブルに一人の男が近づいてきた。

 防具を着けていて背中には大きな剣を背負っている。

 受付嬢が言っていた剣士みたいだ。

 チラッと見える腕の筋肉が凄く、僕はなぜかキュンとしてしまった。


「おい、レイサ。こんな所に居たのかよ。狩りに行く約束だろ?」

「あっ、そう言えば約束していたわね……」

「ったく……。ところでお前、見ない顔だな」

「えっと僕は――」

「“僕”? お前男なのか!?」

「何言っているよ。どう見ても女の子でしょ。僕っ娘ってやつよ。それに先に名乗るのが剣士の礼儀じゃなかったかしら?」

「おっとそうだった。俺はアルラ。アルラ・ネイフォンだ。役職は剣士をやっている」

「僕は神泉渚。えっと、白魔導師です」

「白魔導師か。ってことはこいつも連れて行くのか?」

「そうね~……うん、ちょうどいいから連れて行きましょう」


 二人は僕をどこかに連れて行く話しをし始めた。

 先ほどのアルラの言っていた狩りのことだろう。

 この二人ならなんだかやれそうな気がするが僕は一つ心配事があった。


「ちょっと待って。僕、魔法使ったこと無いんだけど……」

「そうなの? それなら実際にやって覚えた方が良いわね。弱い魔物が出るあの森で練習しましょう」

「だな。まぁ俺もレイサもあまり魔法使えないから力になれるか分からないが」

「二人とも……ありがとうっ!」


 僕はレイサとアルラの協力の下、魔法を覚えることになった。

 多少ゲームで得た知識があるから何とかなる……かな?

読んでいただきありがとうございます

次回もよろしくお願いします


X(エックス)

@huzizakura

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