11【理由】
エルフのフィオナさんと出会い泊まらせてもらった翌日の朝。窓からは朝日が降り注いでいた。ぐっすり寝れて疲れが全く残っていない。
窓を開けると風が森の香りを運んできた。空気が美味しい。
森の方を見るとフィオナさんが大きな切り株の上に座り何かをしていた。
「何しているんだろう?」
僕は外に出て大きな切り株の下へ向かった。
そこではフィオナさんは切り株の上で瞑想をしていた。
僕に気が付いたフィオナさんは目を開けた。
「あら、おはようナギサ」
「おはようございます。あっ、邪魔しちゃいましたか?」
「大丈夫よ。ちょうど終わった所だから。朝食後に一緒に魔法の練習どう?」
「はいっ、お願いします!」
朝食を取った後僕は早速フィオナさんに魔法の練習に付き合ってもらうことになった。
着替えた後、家の裏にある少し開けた場所に行き僕は杖を出し準備をした。
「ナギサは白魔導師なのよね? それならやっぱり回復魔法の練習とか?」
「いえ、今は攻撃魔法を練習しているんです。自分自身守れるようになりたくて」
「そう言うことなのね。まぁ知っているとは思うけど白魔導師で攻撃魔法を極めるのは難しいからね」
「それでも良いんです。というかフィオナさんは白魔導師ですか? それとも黒魔導師?」
「ん~っとね。これは見せた方が早いわね。ナギサの魔法属性は?」
「雷属性です」
「分かったわ。ちょっと離れてね」
僕は少し離れるとフィオナさんは50メートルほど離れた大木に向かい手を翳した。
すると手のひらから杖も使わずに雷魔法を大木に向かい放った。その威力は僕が頑張って出した雷とは全然違う。誰がどう見ても桁違いだ。
魔法が当たった大木の中央には焼け焦げた穴が開いている。
これだけ高火力なら黒魔導師なのだろうと思ったがすぐにフィオナさんは大木に向かい再び何か魔法を使った。
すると大木の焼け焦げた穴は徐々に塞がりその傷口は塞がった。
それはどう見ても僕たち白魔導師が使う回復魔法そのものだ。いや、それ以上の再生能力だ。
「あんな凄い攻撃魔法にさらに回復魔法って一体何なんですか? しかも杖無しで」
「私たちエルフは両方の魔法と属性全部使えるのよ。それに杖はあなたたち人間が魔法を使う時、魔力を安定させるために使う物だから私たちには不必要なの」
「そうなんですね。ってことはもしかしてフィオナさんは赤魔導師なんですか?」
「赤魔導師? それは初めて聞くわね」
「白魔導師と黒魔導師両方の魔法を使える魔導師らしいです。なんでも昔赤いローブの男性が使っていたからとか」
「赤いローブの男……」
この反応まさか赤いローブの男性を知っているのだろうか?
いや、これは知っているに違いない。1000年も生きているのならあり得る。
しかしフィオナさんはすぐには答えを出さず少し悩みようやく答えを出した。
「ごめんなさい。気のせいだったかも。さて、魔法の練習をしましょう」
そうは言ったがなんだか何かを隠しているかのような素振りだ。
しかし泊まらせてもらってさらに魔法の練習に付き合ってもらうのに詮索するのも野暮ってものだ。
取り敢えずこの事は流し僕はフィオナさんに支援魔法はもちろん出来る限りの攻撃魔法もを教わった。
「えいっ!」
僕は大木に向かって雷魔法を放った。以前より反動が大きく感じる。最初の頃より威力が上がっているんだ。なんだが嬉しいけどその分魔力の消費も大きくなった気がした。
フィオナさん曰く魔力量は毎日クエストに出て頻繁に魔法を使っていれば微量ながら勝手に増えていくが短期間で上を目指すなら日々の鍛錬が欠かせないらしい。
これから毎日が大変になりそうだ……
僕たちは大きな切り株の上に座りフィオナさんが入れてくれた紅茶を飲みながら休憩をした。
「さっきの質問なんだけど本当は赤いローブの男性は知っているのよ。というか私がその男性に魔法を教えたからね」
「えっ!? そうなんですか? でもなんでさっきは……」
「公には出さない方が良いと思ってね」
「でもなんで僕に言ってくれたんですか?」
「この家を見つけることが出来たナギサになら言って良いかなって」
「家を見つける?」
「実はこの家はね――」
フィオナさんによるとこの家は外界から見えないように結界が張られているらしい。
しかし僕は普通に見つけることが出来た。別に結界を見つける魔法を使った訳でもないしそもそも結界があったことなんて知らなかった。
その理由についてフィオナさんは何か心当たりがあるみたいだ。
でもその理由を僕には教えてくれなかった。
「さてと休憩はおしまい。今度は回復魔法の練習ね」
「はいっ!」
回復魔法は僕も本を読んで練習をしたがフィオナさんは本に載っていないようなテクニックまで教えてくれた。
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@huzizakura




