第一話 プロローグ
俺は働いている
仕事は6時から始まる。終わりは決まっていない。
毎日終電が過ぎるまで働きそのまま会社で寝る
そして仕事をする
俺は働いている
横の席の同僚は1週間前に倒れて病院に運ばれたっきり戻ってこない
向かいの席の後輩は昨日からずっと笑ってる
笑いながら泣いている
同期は一年目に全員やめていった
俺は働いている
今日は向かいの席の同僚が静かだと思って覗き込んだら目を開けたまま気絶していた。
この人がいなくなるのも時間の問題だろう…
俺は働いている
向かいの席の同僚の仕事を手伝ってあげた
泣きながらありがとう、といっていた
俺は働いている
向かいの席の同僚が来なくなってしまった
仕事を手伝ってあげたのに…なぜ?
俺は働いている
向かいの席の同僚がやるはずだった仕事が俺のところにきた
自分の仕事でさえ歳いっぱいだったのにさらに仕事が増え、そろそろまずいかもしれない
俺は働いている
今日がいつの何曜日なのかもわからなくなってきた
今は何時だろう。ああ、夜の2時か道理で人が少ないと思った
そろそろ寝よう、明日も仕事だ
俺は働いている
俺は働いている
俺は働いている
今日はいつもより体の調子が悪いかもしれない
頭が痛いし体もだるい
しかし帰って休むわけにはいかない
仕事が溜まってしまう
いけないものすごく眠たくなってきた
コーヒーでも飲んで目を覚そう
そうと決まれば近くのコンビニまで行こう
そう思って立ち上がった瞬間
思いとは真反対、地面に倒れ込んでしまった
誰かが声をかけているが何を言っているかわからない
もっと大きい声でしゃべってくれ
おっと、寝転んだことで眠気が抑えられなくなってきた
瞼が落ちてくる
すまない、少しだけこのまま眠らせてくれ
起きたら遅れた分の仕事をするから
そう思った時にはもう意識は深い深いところまで落ちてしまい
そのまま俺は…
「おはようございます!」
ん?誰だ?