表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/35

最初は3人の国

 クラーキス様の言う『VOID(ヴォイド)』という言葉にみんなが注目した。


 それに気づいたクラーキス様は俺を見て口を開いた。

「ここに居るみなさまが貴方様の力にご興味があると言うことです。

 それほど貴方様の力は強く特殊なのです、私も物凄く興味深いのですがね」


 前の世界ではVOIDは虚空とかの意味だったし役に立たないという意味もあったような気がする。

「『VOID(ヴォイド)』ってなんですか?虚空?何もない?役に立たない?」


「そうですね、そう言う意味もあると思いますが虚空と言うのが近いでしょうか?空っぽの状態です、元素(得エレメント)が全くない状態のことです、私は長年の研究で何も無いことは、すなわち全てを意味しているのでは無いかと仮説を考えておりました」


「何も無いことが全てを意味している?」


「空間が広がること自体が不思議なことです、そこに全てがあり、元素(エレメント)もそこから発生するのでは無いかという仮説です」


「なるほどね、eイコールmcの二乗か……、その通りだな」


「王女様、なんと、何とおっしゃりましたか?、eイコールmcの二乗とは何でございましょうか?」


「俺の世界ではエネルギーと物質の間には関係が有って今言った式で現されると言うことさ」


「おおおっ、何という理解できませんがこの世の理ですな、と言うことは王女様もそのことにお気づきになったということですな」


「違うけど、淫魔法から気が付いたのは本当だ、ただやっているのは簡単な科学だけどね」


「科学……なんと素晴らしい響きでしょうか。教授願えれば、うれしゅうございますが、異世界の理論であれば簡単には私目には理解は出来ませんでしょうな」


 残念ながらクラーキス様と俺のの説明は殆どの人には理解してもらえなかったようだ。

 結局、そこに居た全員の認識は俺の力は『VOID(ヴォイド)』と言うことだった。


クラーキス様は興味深そうに俺の顔を見る。

元素(得エレメント)が関係無いと言うことになれば全く我々の全く知らない新しい力が使えると言うことですな、今までの常識を覆す魔法が王女様は使えると言うことですから、各元素(得エレメント)間にある相剋の関係をも超えることが出来そうな気がしますな」


 相剋というのは陰陽道のあれだね。

「相剋という考え方……そうだな、例えば水の中で燃える火とか?」


 クラーキス様は相当驚いていた。

「そんなことが出来るのですか?」


「出来るよ、簡単さ」


 俺は、空間に水の塊を顕現させた。

 その水の周りに水蒸気の摩擦で電気を起こし、水の塊の外に電気分解した水素と酸素を創る。

 水素と酸素を水の中心に流し込み火をつけた。

 水の中でぶくぶく泡をたてながら火が燃えた。

 要するに酸素が有れば、とにかく火は燃える。


 みんな驚いていた。

「驚いたかな、でももっと驚くのは燃えた後、水が出来ているんだよ」


 そう話をすると「そうですか」とみんなは答えるが理解は出来ないだろう……


 なんか話が停滞してしまったのでごまかすことにした。


「そうだ、みんなに美味しいものでも食べてもらうよ」

 そう言うと前回作ったアイスクリームを作った。

 みんなに振舞ったところ、好評だった。


 さて気分転換も済んだので、ガラミナ王との話し合いを始めた。


 もっとも今現在は3人の国だ。


 次に土地を委譲してもらうと、この町に住む500名程度が最初の国民になる。

 だが、国民が増えても、産業も何も無いのだ色々なものが不足する。

 もちろん国として税金を取ることなど直ぐには出来ないだろう。


 国としては独り立ちは難しい、少しの間はガラミナの国の支援が不可欠だ。


 いろいろな心配事を含め話を始めた。

 ガラミナ国王からは独立するまでの数年は援助してくれる約束はしてくれた。


 だが今のところ、こちらから返せるものは無かった。


「王女様、いや女王陛下と言うべきでしょうか?」


「俺は別に何でも構わないが、今は3人の国だから王女様で良いよ」


 『王女様』と呼んで?……本当にそれで良いのか、俺。


「貴国民の内お預かりしております20万人をお返しいたします。

 また、先ほど言いましたように王女様の国での産業育成も優先的にお手伝いいたします。

 新しい国民の食料確保や仕事に関しては安心ください。


 それと我が国以外の七つの連合国に移住しておりました者達からも帰国要請が来ております」


「要望が来ている?」


「各王国から連絡が来ております

 アクアの眷属であった国の国民も含め、50万人が王女様の国への帰還を要望しておるものと思われます。

 多くの兵士たちは、王女の国と眷属の国の四つの国がなくなったことを嘆いておりました。

 そのため元兵士たちは兵士への志願も要請しており、概算ですが5万人の兵士が王女の国を守るでしょう」


「なんだそれ、20万人と50万人いきなり70万人、兵士が5万人?

 友達の数?や学校の全校生徒なんかより遥かに多い、俺には管理不可能だ。

 この国は政治的な仕組みは何も無いのだぞ?残念だが希望者の帰国は無理なのでは無いか?……」


 カルミラが嬉しそうに割り込んできた。

「ガラミナ王、感謝致します、それでは元の国政を担っていた者を優先的に、こちらに帰国させてください」


「感謝なんて良いんだよ姉さん、寿命を縮めるような無茶をして心配したよ。

 でも王女様もお帰りになったんだ良かった。

 国政を任せられる者は選定済だ、準備は出来ております、この後王女様にお会い願おうと考えております」


 その時大声が聞こえて来た。


 門番からガルミナに報告が来た。

「なんか門で騒ぎが起こっているようです」


 報告している者の話を聞き耳を立てて聞いていると

「捕まえた五守護神がどうのとか言っています・・・」


 五守護神、そう言えば助けたような記憶があるな。


「門に行って見ようか?」


「王女様直々に向かう必要はありませんこのガルミナにお任せを」


「いや、俺も行くよ、離れて見ているから良いだろう」


 捕虜交換の話だったりするだろうか?


 着いてみると、平民の姿をしているが兵士のようにギラギラした者がいた。

「捕虜になっております、我らがヒューラ将軍達をお返しください。

 聞けば将軍は正気に戻っているとのこと、お願い申し上げます将軍をお返しください。

 代わりであれば、この私たちが何人でも捕虜に成りましょう、お願いでございます、お願いでございます。」


 その者達は何度も同じことを言っていた、そして門番は必死で帰るように諭していた。

「そこの者達、無駄なことを王女様の命を狙ったものを返す訳が無いだろう、帰りなさい」


 そう言えばあの五人はどうなったんだろう?

「ちょっと待てください。門番、その者達を入れてください」


 なんだろう、なんか言葉が丁寧になってしまう?

 俺は年上の人には弱いのか?

 でも考えればガルミナやカルミラも見かけは同じくらいでも、俺より物凄く年上だよな?

 やっぱり見かけで言葉遣いが変わるのか?


「王女様、よろしいのですか?」

 ガルミナが心配するが、入れろと言ってしまったので仕方がない。


「あの五人も一緒に謁見の間に通しておいてくれ」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ