兎14羽 君のモノは君のモノ。僕のモノも君のモノ?
「キョ、キョウカサン」
「ソ、ソウマクン……」
僕達は冒険者ギルドを出て衣服や日用品を買いに石畳引きの街中を歩いていた。パーティーネームをソウマ&キョウカにしたので、お互いを名前で呼ぼうって事になったんだけど、とても恥ずかしい。
「あ、あそこのお店がそうじゃないかな」
受付のお姉さんに教えてもらった洋服屋さん。お店に入ると男性用、女性用の服、下着類なんかも置いてある。
フィールドワーク用に僕は白いシャツと生地が厚めのズボン、ポケットの多い茶色のベストを選んだ。
キョウカさんは白いブラウスに、動きやすさを重視して丈の短いスカート、ベストはデザイン重視で水色の可愛いベストを選んだ。更に膝を怪我しないように黒のニーソを購入。
下着コーナーで僕は下着上下一組選んだが、キョウカさんは難航していた。パンツが紐パンかカボチャパンツの二択らしい?結局1個づつ買うことになった。
お会計締めて銀貨25枚。残りは10枚ちょっとなので、雑貨屋では歯ブラシとタオルだけ買ってお買い物は終了となった。
「お金、ありがとうございます。後で必ずお返しします」
「僕達はパーティーなんだから僕のお金も鎧も共有でいいよ」
「ありがとうございます。でも、今さらっと鎧って言いましたよね?あの鎧はソウマ君のですよ」
「………………」
♢
一旦宿屋に戻り昼食を食べて、買ったばかりの服に着替え、防具等も装備して(月兎は装備してないけどね)、僕達は薬草探しの為に街の外にある森の中へと来ていた。
「やっぱり森の奥に行かないと薬草は無さそうだね」
「手前の方は薬師の人達が採取に来るって言ってたもんね」
「あまり奥に行くと遭遇戦とか有りそうでやなんだけどな」
モンスターと遭遇して退治した場合、討伐の証として耳等を持って帰れば討伐報酬が貰えるとの事だった。しかし討伐クエストではないので報酬は討伐クエストより幾分少ないらしい。
またモンスターの種類によっては素材として皮や牙等も買い取って貰えるとの事だった。
そして森の中を歩く事約2時間、依頼の薬草も依頼本数よりも多く採れ帰路につこうとしたその時、僕達の前に其奴が姿を現した。
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