兎9羽 今週もサービス、サービス
日も暮れて僕達は部屋で、おじさんが届けてくれた夕食を食べていた。
あの後に、四ノ宮さんが本当に神装鎧である事を証明する為に、聖剣グラムアルキュルスで斬って斬って斬りまくり、突いて突いて突きまくったが月兎には傷一つ付けられなかった。流石神装鎧だ。
美味しいお肉をフォークに刺して四ノ宮さんが溜息をつく。
「はぁ~~~。あれが本当に神装鎧だなんて………」
「僕もレインボーガチャからアレが出てきた時は愕然としたよ。お爺さん曰く300年ぶりのレインボーって言ってた神レアガチャから出て来たのがバニーガールだからね(涙)」
「聖剣グラムアルキュルスって、実は大したこと無いんでしょうか。バニーガールも斬れ無いんですよ」
四ノ宮さんはそう言ってまた溜息をつく。
「いやいや、聖剣グラムと言ったら、聖剣エクスカリバーと肩を並べる聖剣だよ。北欧神話の最高神オーディンがジグムントに与えた剣で、彼の息子シグルスが邪竜ファフニールを倒したドラゴンスレイヤーだ。アルキュルスっていう謎の名前も何か有りそうだよね。四ノ宮さんは縮地も使えるんだから、低レベルモンスター相手なら鬼無双だと思うよ」
「え、えへへ、ヤッパリそうですか」
よ、良かった~。四ノ宮さんに笑顔が戻ってきたよ。
「そういうば、楮山さんのスキルは何なんですか?」
「僕のスキル?僕のスキルは複製だよ。まだレベル低いから大した物は複製出来ないけどね」
「複製……面白いスキルですね。何が複製出来るんですか?」
「まだお試しで1回しか複製してないけど、靴下は複製出来たよ」
「ふふ、何で靴下なんですか」
「いや、ほら、どうせ複製するなら靴下や下着とか使える物がいいかなと」
「あっ、そうですよね!下着とか着替え無いし……」
「だからこの後、下着も複製してみようかなと思うんだ」
「わ、私の下着も…………」
いい掛けて四ノ宮さんの顔が真っ赤になった。うん、そうだよね。僕が四ノ宮さんの下着をコピーしたらなんか犯罪っぽいよね。
「宿代が浮いたから、明日買い物に行こうか。………下着とか」
赤い顔の四ノ宮さんは小さくコクリと頷いた。
♢
「え~~~~~~~ッ!」
食べ終わった夕食をおじさんが下げに来た後、四ノ宮さんは「お風呂の準備しますね」とバスルームに行った。そして四ノ宮さんの奇声がバスルームから聞こえた?
「どうしたの四ノ宮さん!」
慌ててバスルームに駆け付けると四ノ宮さんはガラス張りのガラスを指差す。
「か、カーテンが有りません………」
ガラスの向こうにはソファやベッドが見える。カーテンが無いという事は…………(ポッ)。
「し、四ノ宮さんあそこ」
僕はガラスに貼られているシールを指差す。
『曇り止めコーティング サービス中』
「「サービスいらないからッ!!!」」
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