兎7羽 君はロードオブタンクを知っているか
「「…………………………」」
唖然呆然と取り残された僕と四ノ宮さん。
「と、とりあえず中に入ろうか……」
「は、はい……」
僕達は部屋に入ると二人してソファに腰を下ろした。
「びっくりしたよ。まさかこんな良い部屋に1年も泊まれるなんて」
「す、凄すぎですね……」
「「………………………」」
沈黙の時間。隣に座る四ノ宮さんから素敵な香りが漂ってくる。ずっとぼっちだった僕が美少女の四ノ宮さんと喋れるはずもなく、ただただ沈黙の時間………。
「あ、あの……」
沈黙の中に四ノ宮さんの綺麗な声。心臓バクバクだ!
「わ、私…お金が貯まるまで……お、お世話になって……いいですか?」
コクコクコクコクと僕は頷く。
「ありがとうございます!」
四ノ宮さんはソファから立ち上がると深々とお辞儀をした。
「し、四ノ宮さんは冒険者ギルドに登録はしないの?」
「冒険者ギルド?」
あれ?四ノ宮さんは冒険者ギルドを知らないのか?王宮召喚じゃないんだから、異世界転移に冒険者ギルドは鉄板セットだよね?
「冒険者ギルドは冒険者として活動する為に、冒険者登録したり、クエストを受けてお金稼いだり、ドロップアイテムを換金したりするギルドだよ?知らない?」
「はい!初めて聞きました!千葉には冒険者ギルドがあったんですね!」
「いやいや無いから!千葉にも東京にも冒険者ギルド無いから!ディスティニーランドにも無いんだから!」
「???」
首をコテンと傾げる四ノ宮さん。可愛い過ぎるから!
「四ノ宮さんはあまりファンタジーとか知らないのかな?」
「そうかもしれません。知っているのはピーターパンとかアリスの不思議な国とかです」
王道来たな~。つまりオタク系では無いって事だね。は、話にくいかも………。
「ほら、ロードオブタンクとかにも出てきたよ」
「ロードオブタンク?」
「えっ知らないの!有名な映画だよ!?」
「………知りません」
あっ、やばい、少しムスッとしてる………。
「ご、ごめんなさい」
僕は謝る。
「あっ、いえ、気にしないで下さい。多分趣味の相違ですから」
………趣味の相違なの?だってロードオブタンクだよ?話を蒸し返してもいけないので僕は冒険者ギルドの話に戻した。
「明日、冒険者ギルドに一緒に行かない?」
「私も行っていいんですか?」
「うん、大丈夫だよ。僕はさっき冒険者登録済まして来ているし」
「あ、あの…宜しくお願いします!」
ペコりとお辞儀して、起き上がってニコリと微笑む四ノ宮さん。可愛いすぎやーーーッ!
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