18.方針
京子と再会した次の休み、組の者の葬儀が行われた。戦闘時にやられた五名の遺体は今日この場にあるのだが、それより少し前に行方不明となった組員はどうなっているか分かっていない。まだどこかに生きていると思いたいが、その可能性はかなり低いだろう。
残った組員は俺を含め十四人。大幅な戦力低下だ。また次に大きな組織と相対するのには心許ない。勧誘をするのか?命のやりとりをするこの仕事を喜んで受ける者はそういない。上手い策は思い付かんな。昴はどう考えているだろうか?
葬儀が終わり、全組員は事務所に集まる。そこで昴からまた話があった。
「皆聞いてくれ、今回黒虎との戦いでかなり犠牲が出た。俺の指揮が悪かった、すまない。・・・うちの組の人数が減り、今後何をするにしても厳しくなった訳だ。そこで戦力を補強したいと思ってる。その方法だが、他の組と盃交わそうと思う。ただそれは最低でも対等、可能な限りこっちが上になるようにやるんだ。つまりはこちらの力を見せなければいけない。当分喧嘩が続くと思う。」
「あの頭、交渉する組はどの辺りまで考えてますか?」
真壁さんがそう聞くと、
「特に際限は無い。何なら日本全てのヤクザを相手にしても良いぞ。」
と昴はそう言う。その言葉に皆不敵に笑い出す。全国のヤクザ全てをまとめる。何だか話が飛躍し過ぎだが、敵は無くなり、味方は増えるという、非常に分かり易く且つ、ヤクザらしいという感じがする。
もし、実現できたとしたら、国内はまとまった一枚岩となり、強固なものに、海外マフィアが入ってきたとしても、情報収集、対応がかなり楽になるだろう。
「それで返事はどうかい?」
昴のその問いに皆賛同した。
東京を拠点にするヤクザの内の一つ、それも二次団体が随分大きな目標を掲げたものだ。考えると不意に俺も少し顔が緩んでしまう。面白い、やってやろうじゃないか。




