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#5 期末試験の問題で

今回の作品は『エンスト』シリーズ(http://ncode.syosetu.com/s2605c/)より。


今回の登場人物

大野(おおの) ゆかり

上原(うえはら) まさり

・栗原くん

 辺りの静かな廊下には何年生のところ分からないが、英語のリスニングテストの問題が(かす)かに聞こえてくる。


 3年生の各教室には35名の生徒達が現代文の試験を実施されており、彼らはカリカリとシャープペンシルを走らせながら、解答用紙を埋めている。


 ゆかりは「あとは裏面の作文の問題だけ」と思い、解答用紙を裏に返すとその問題を見て吹き出しそうになった。


 その問題は「問七 自分で普段作っているカップ焼きそばの作り方を書け。(箇条書きでもなんでも可)」という問題。

 解答欄は約200文字程度の欄だけである。


 他の生徒達もプッと吹き出したりしながらカリカリと書いているようだ。

 他のクラスに属しているまさりや栗原くんも――。


 ゆかりはどうしようか悩んだ末……。

『一、フィルムを剥がす。

 ニ、お湯を沸かす。

 三、蓋を開け、小袋を取る。

 四、お湯を注ぐ。

 五、三分後、湯切り口を爪で立て、お湯を切る。

 六、ソースとふりかけなどを絡めて出来上がり。』とシンプルに答えた。


 まさりや栗原くんもあれこれいろいろと考え、いろいろ書いているせいか、回答欄のます目消えてしまっている。


 時間が経つにつれて、徐々にシャープペンシルの音が聞こえなくなる焦りと制限時間内に答えられないかもしれない不安が彼らの脳裏にあったため、適当に答えてみた。


 栗原くんは遅ればせながらではあるが、この欄が狭いことに気づき、シンプルにまとめれば正解かなと思い、大まかにまとめる。


 一方のまさりは、なんだかよく分からない絵のオンパレードとなっており、絵の下にちまちまっと説明が書いてあるだけのものを答えとして提出した。



 *



 そして、テストの返却時。


 その「カップ焼きそばの作り方を書く」問題は完成までのプロセスが書いてあれば正解というサービス問題であった。

 ちなみに、ゆかりが書いたものが実際の模範解答である。

2017/03/18 本投稿

2017/05/06 前書き欄の作品シリーズの修正

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