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#14 夢の中のトラウマ その後……

今回は最終話というわけで2016年に行われた「キャラクター総選挙」の男女別の総合トップにカップ焼きそばを作ってもらいました!


・『ふしがく』シリーズ(http://ncode.syosetu.com/s2604c/)より、夏川 紫苑(なつかわ しおん)さん。


・『闇医者・悪役令嬢』シリーズ(https://ncode.syosetu.com/s0121d/)より、ジャスパー先生。

 紫苑は鼻歌混じりで給湯室で何かを作ろうとしていた。

 彼女の鼻歌に誘われてジャスパーがひょっこりと顔を出す。


「し、紫苑さん……こんなところで何をしていらっしゃるのですか……?」

「ああ、先生でしたかー。今からカップ焼きそばを作ろうかなぁと……」

「その作り方を僕に教えてください!」

「えっ、なんで!?」


 彼は紫苑が「カップ焼きそば」という言葉に鋭く反応する。

 一方の彼女はなぜジャスパーにその作り方を教えなければならないのか分からなかった。


「実は僕、カップ焼きそばに関するトラウマがございまして……」

「カップ焼きそばがトラウマになるようなことって何かありましたっけ……?」


 彼女はなんかあったっけ? と首を傾げながら考えながらトラウマになりそうな要因を考えている。


「うーん……かやくを入れ忘れたり、お湯を切る時にシンクにぶちまけたり……」


 紫苑は当てはまりそうな要因を言い連ねていく中、彼は「イヤーッ!」と甲高い声で叫んでいるため、彼女は両手で耳を塞いだ。


「も、もしかして……先生は私が言ったものはすべて経験済みなんですか!?」

「左様でございます」

「仕方ないですねー。一緒に作りましょう」

「すみません」


 狭苦しい給湯室で男女がカップ焼きそばを作るというなんとも言えない図となっていることに関しては触れないでほしいところではあるが、そればかりはどうしようもない。

 紫苑は仕方なく、鞄の中から予備として準備していたその焼きそばをジャスパーに手渡した。

 彼女らはカップ焼きそばが包まれているフィルムを剥がす。


「次に蓋を開けて、かやくとソース、ふりかけの袋を取り出します。その時にかやくは容器に入れてしまいましょう」

「その段階でかやくは入れてもいいのですね?」

「ハイ。今入れないと、お湯でふやけないですし、入れ忘れの原因になります」


 2人は小袋を取り出し、かやくの袋を容器に入れた。

 紫苑は電子ポットの湯の量が十分かどうかを確認する。


「お湯は沸騰してるみたいですし、量はたくさん入っているので、それを使いましょう」

「紫苑さん、それは病院のものですよ……」

「使い終わったら、新たに沸かせばいいじゃないですか?」

「そう言われてみればそうですね」


 彼女らは交代しながらポットから必要な分だけ湯を注いだ。

 あとから湯を注いだ彼は新たに水道水を入れ、電子ポットで湯を沸かす。


「あとは3分間待つだけ。ここまでは簡単でしょ?」

「なんで、僕は最初から躓いたのかが謎なくらい簡単でした」


 紫苑は再び鞄から携帯電話を取り出し、タイマーを3分に設定する。

 一方のジャスパーはするすると壁を伝って床にしゃがみ込んでいた。


「そういえば、11月ですね……」

「私はポッキーが食べたくなりますね……あっ、その日は学校祭だ」

「今度、作者である翡翠(ひすい)先生に頼みましょう! きっと書いてくれますよ!」

「そうですね! ポッキーゲームネタを書いてくださいとお願いしましょう! 他の連載で忙しくなければの話ですが……」


 2人で話しているうちに彼女の携帯電話のアラームが鳴る。

 彼の表情は一気に曇り、「悪夢の時間だ……」と呟いた。


「お湯を切ります!」

「ハイ」


 紫苑は湯切りの爪を立てる。

 彼も彼女と同じように爪を立てたが、そのあとは両手が震え始めていた。


「先生、しっかり両手でギュッと押さえていれば麺をぶちまけたりすることはないので、心配することはないですよ」


 紫苑は蛇口を捻り、水を出しながら整然とした表情で湯を切っていく。


「ち、ちょっと紫苑さん。いくらなんでも涼しい顔し過ぎですよ」

「大丈夫ですよー」


 彼女はジャスパーの両手を添え、ゆっくりと湯を切る。

 彼は紫苑は容赦ないなと思っているが、彼女の両手に委ねた。

 彼女らは一瞬だけ視線を合わせたが、頬を赤くしてすぐに逸らしてしまう。


「あっ、麺がシンクにこぼれていませんね」

「本当ですね! 先生はトラウマは克服できましたか?」


 彼女はシンクに麺がこぼれていないことに感動しているジャスパーに問いかけた。

 彼は「少しだけですがね」と苦笑を浮かべながら答える。


「さて、仕上げに入りますか」


 彼女らはソースを麺に絡ませ、ふりかけをふりかけてカップ焼きそばを完成させた。


「は、はじめて最後まで作れました! 紫苑さん、ありがとうございました!」

「いえいえ、どういたしまして!」


 ジャスパーのカップ焼きそばに対するトラウマを紫苑によって少しだけ解決した。


 そして、彼女らは穏やかな雰囲気でカップ焼きそばを食すのであった。

今回で無事にこの『自作品のキャラクターでカップ焼きそばを作らせてみた』を完結に辿り着くことができました。


本来は「キャラクター総選挙」のために書き始めた作品でしたが、ズルズルと不定期になってしまい、今頃になってしまいました。

各作品の登場人物の意外な面があったのではないかと思います。


本編で「ポッキーゲームネタ」の話が出ていますが、現在執筆が少し圧している状態です。


そのため、少し遅ればせながらですが、「自作品のキャラクターでポッキーゲーム」の話を書けたらと思っています。


最後までこの作品をご覧いただきありがとうございました。


2017/11/12 楠木 翡翠



 *


2017/11/12 本投稿

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