#12 カップ焼きそばでロシアンルーレット? (後編)
今回の作品は『私立白川大学付属高等学校生徒会シリーズ(http://ncode.syosetu.com/s2032c/)』及び『生徒会は闇組織でした。(https://ncode.syosetu.com/n3903dm/)』より。
・吉川 修
・高橋 雄大
・小笠原 達也
・木沢 聡
・小笠原 鈴菜
・木崎 政則
「僕、お湯を入れ終わったあと戻るので、その間に誰が外れクジを作る発表しないでくださいね」
「なんだかんだ言って修クンも楽しみにしているではないか」
「たまにはくだらないこともいいじゃないですか?」
「そうだな」
雄大が給湯室から出ていくと、修は人数分のカップ焼きそばの容器に1個ずつ熱湯を注ぎ、蓋を閉め、タイマーを3分にセットし、制服のポケットにしまった。
「すみません! お待たせしました!」
「「おかえりー」」
後片付けが終わり、彼が生徒会室に戻ってくると、待ってましたと全員の視線が修に向けられる。
彼が空いている椅子に腰かけると同時に雄大がアミダくじをやった用紙を片手に椅子から立ち上がった。
「修クンの準備も終わったから、そろそろ発表するとしよう」
「待ってました!」
「運命の時だね!」
「ドルルルル…………」
彼がこう言うと、政則と聡がそれぞれの反応を示し、達也は口でドラムロールを奏でる。
緊張感が感じられる生徒会室に響くドラムロール。
彼が「ルルルル…………チーン!」とそれが終わった。
「今回の外れクジのカップ焼きそばを作るのは……鈴菜クンに決まった」
「また鈴菜ちゃんなの!? 去年もシュークリームでやってたよね!?」
「木沢にとっては悪夢の時間だなぁ……せめて、そこは生徒会長である高橋とかだろ」
「達也クン、アミダくじがそう語ってるんだから仕方ないのでは?」
「まぁ、そうだけどさ……」
その時に修のポケットからタイマーのアラームが緊張感が解けた空間にピピッと響いた。
「3分経ったので、お湯を切ってきますね。鈴菜せんぱ……」
「みなさん、この時を私は待っていましたよ……」
「ハイハイ。早く行きましょうねー」
「行ってらっしゃい!」
彼は鈴菜と給湯室に行こうとした時に、彼女は黒い笑みを浮かべながらすでに席を離れている。
通学鞄から何かを制服のポケットに入れている鈴菜。
修はあれが外れクジの材料なのかと思いながら、そこへ向かった。
「2人とも、行っちゃったね」
「吉川はおそらく、鈴菜の怖さを察していたと思うぞ」
「何で分かったんですか?」
「それは本人に訊け」
「……ハイ……」
生徒会室に残された聡、達也、政則の3人は給湯室に向かったこう話している。
その隣にいる雄大は誰が鈴菜が作った外れクジを食べるのかを予想していた。
これから、例のロシアンルーレットは彼の予想を大きく覆すものとなる――。
*
その頃、給湯室にいる修と鈴菜は――。
彼は1個ずつ湯切りの爪を立て、水道水を流しながら、湯を丁寧に切っていた。
「吉川くん、最初にお湯を切ったカップ焼きそばの容器をください」
「一番左のものは最初に湯切りしたものですので、そちらからどうぞ」
「じゃあ、それをもらいますねー」
彼女はそのうちの1個を持って修の視界に入らないような場所に移動する。
彼はすべてのカップ焼きそばの湯を切り終え、ソースとふりかけを割り箸で混ぜ合わせていた。
今、鈴菜が何をやっているのかを目を細めながら――。
「鈴菜先輩、怖いな……」
修は人数分の焼きそばの容器をお盆に乗せ、彼女の背後から恐怖のオーラを感じていた。
しかし、このお盆に鈴菜が作った外れクジも置かなければならない。
彼は勇気を振り絞り、彼女に近づいた。
「す、鈴菜先輩? お、終わりましたか?」
「あ、ハイ。終わってますよ」
「さっき、僕が適当に置いたので、鈴菜先輩の好きなところに置いてください。僕は目を閉じて待ってますので、置けたら「置けました」と言ってください」
「分かりました」
修は目をそっと閉じ、鈴菜が作った外れクジつきのカップ焼きそばを置くのを待つ。
彼女は「ここにしようかな?」と悩みながら、最後の1個を置いた。
「吉川くん、置きました」
「ありがとうございます! みなさんが待っていますので、戻りましょう」
「そうですね。もしかしたら、待ちくたびれているかもしれませんね」
彼らは水道水を注いだコップと例のカップ焼きそばのお盆を持ち、給湯室から生徒会室に戻る。
「お待たせしました!」
「吉川くんと鈴菜ちゃん、待ってたよ!」
「では、ロシアンルーレットの始まりだ!」
雄大のかけ声でカップ焼きそばの外れクジをかけたロシアンルーレット。
3年生から順番にカップ焼きそばと割り箸、コップを取っていき、鈴菜達が給湯室にいる間に政則が準備いた長机に置き、先ほど座っていた順に着席していく。
「さて、吉川くんと鈴菜ちゃんが一生懸命作ってくれたカップ焼きそばを食べようか」
「「いただきます!」」
彼らは一斉に割り箸を割り、カップ焼きそばの蓋を開け、もぐもぐ食べ始めた。
他の生徒会役員が美味しそうに食べている中、「……辛っ……」と言いながら食べている雄大の姿があった。
「す、鈴菜クン。このカップ焼きそばに何を入れたのかい……?」
「タバスコと豆板醤をたっぷり入れました!」
彼が鈴菜に問いかけると、彼女は制服のポケットからタバスコと豆板醤の入った容器を全員に見せる。
「鈴菜ちゃん、本当に容赦ないね……」
「僕も給湯室にいた時は恐怖のオーラを感じました。まるで、何かを実験しているような感じかなぁと……」
「吉川くん? あの頃、私はそんな印象を持ってたんですか?」
「ええ」
「……即答ですね……」
聡と修が鈴菜の激辛調味料を見て、口々に言う。
彼女は再度恐怖のオーラを出し、雄大に視線を合わせようとした。
「ところで、会長?」
「鈴菜クン、もしかして……」
「捨てるのはもったいないので、すべて食べてくださいね?」
「君は悪魔か!?」
他の生徒会役員達は彼女らのやり取りを見て、笑いが起こる。
最終的には雄大は鈴菜が作った「外れクジ」という名のタバスコと豆板醤が入った激辛カップ焼きそばを水を何杯も飲みながら、すべて食すのであった。
2017/11/11 本投稿




