#元気な子
ガイアと名付けられた種族人間の超越者の少年は五年の月日の中で多くの知恵を手に入れた。
それは神のみが知るとされる言語であったり、魔導の極地とされる秘術であったり、五歳と呼ばれた少年には過ぎた力であったが、それを自制する術を師であり祖母でもあり母でもあるジュピターと七人の姉と兄と呼べる種族の違うジュピターの弟子から学んでいた。
「………ガイア………あまり遠くへいってはいけないよ」
青白い肌で蒼い髪の優しい風貌の学者風の青年………種族は不死者であり死を束ねたかつて多くの国々を震撼させた[蒼氷の支配者]………ジュピターの二番弟子であるシリウス=マテリアウスは微笑みながら声をかける。
「シリウス兄ちゃん、テンがどっかいっちゃった」
「………ああ、最近御友達になったダークドラゴンの子かな?」
「母ちゃんとも仲良くなったぞ!」
「はは、ガイアは色々な言葉がわかるからね、でも皆心配するし、もうすぐご飯だから行こう、ほらテンくんきたよ」
黒い鱗の小さなドラゴンが可愛らしい鳴き声でガイアに甘えてくる。
「おー!母ちゃんにちゃんとご飯たべにいってくるといってきたのか!」
「なんだ、テンくんも遊びにくる気満々だな、今日はアビスが料理する日だよ」
「やりーアビス姉ちゃんの飯うめえからな!」
「はは、喜ぶよアビスも」
シリウスは微笑む。