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優しき魔王の子。  作者: 作者不詳
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#少年の物語のはじまり。

地球ではないどこか、魔法と剣が支配をし、多くの人間ではない種族がいる世界。



その中でも特異な異空間で二人の人物がいた。




一人は長身の穏和な老婆で黒いローブを纏っている。もうひとりは白いローブを纏い白髪の長髪を束ねた穏やかな老人。




「久しいね、創造神を継いでから数千年ぶりでないか? アラン」



「人間時代の名を呼ぶ友はもう君くらいのものだよ、ジュピター」



「確かに共に戦った勇者の仲間達は人として死ぬ道を選んだね、あんたは世界を護るために神となり、私は魔道を極めるために人をやめ魔王となった」




「僕らの願いは人と魔の共存であったが、うまくはいかないものだね」



「まったくだ、面倒だから弟子を含めて隠居してしまったよ」



ジュピターと呼ばれた老婆はくすりと笑う。



「だがお前の事だあきらめないのだろう?」



「さすが我が友、わかっているな」



創造神と名乗るアランという老人はにこりと微笑む。いつの間にか赤子をかかえている。



「このこは地球と呼ばれる異世界から生まれた子でね、魔力の存在しない世界で魔力を持って生まれたんだが、地球上では異物扱いをされて亡くなってしまった」




「その魂に肉体を与えて私にさしだす意味とは?」



「この子は生まれながらにして超越する資格をもっていてね、英雄でもなく勇者でもなく、言うなれば人の身でありながら、魔王となるべき存在だ、加えて幾多の転生を経ていてあらゆる世界の知識と能力を受け継いでいる」




「私たちの世界に波乱をくわえるのかい」



「人の心を持ち魔王の力、そしてあらゆる転生を経た超越者の魂、育てたくはないか?」



ジュピターは穏和に微笑む。



「永劫の世界のなかで楽しみが増えるならすばらしいね」




赤子をそう言うと受け取った。






アランとジュピターの邂逅から五年後。




魔法と剣の世界ルシエド




あらゆる種族が争い覇権をかけて争う大地で不可侵の領域がある。




その名は天魔の森。

強大な魔神や魔物がいるこの森で一人の幼い少年がいた。





「ふふ、ガイアは筋がよいな」



デレデレとした顔をするのはすっかり孫バカになったかのようなジュピターと、執事服を見に纏う仮面の男。



「師匠は丸くなりましたな、確かにガイアは飲み込みがよく素晴らしいですが」



「可愛い末弟子を可愛がるのはかまわないだろ?手間もかからん、お前はどうなんだ、スターク」



「末弟弟子になにかあれば燃やしますね、灰にします」



「悪魔のお前すらデレデレとするんだ、私が孫のように感じてもおかしくはないだろう?」



目の前の黒髪黒目のまだ幼い少年を見ながら人の身でありながら魔道を極め魔王に転生した[魔女王]ジュピター=フロレンスと一番弟子であり[冥炎]のスターク=フレイムはくすりとわらった。



ジュピターは魔王でありながら城をもたず、種族の違う弟子八人を従えている、いずれも血のつながりはなくとも家族としての絆はあり、彼らを脅かすものは凶悪な反撃をくらうことだろう。



そして八人目にして末弟子[奇跡]のガイア=フロレンスを中心にしてこの物語ははじまる。

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