第一話 はじまりは突然
9人の戦士が月のような何もない星の岩盤に並んでいる。
二匹の妖精を操る女の子
矢が蓄えてある車椅子に乗っている男
巨大な斧を背負う巨漢の男
両手に白い拳銃を持つ青年
体に炎を纏う勝紅炎
3つの槍を背負う背の高い青年
緑の虎に乗っている少年
金に光る巨大な人型兵器を操る女の子
鎌を持ち右腕の無い少女
真ん中にいる炎の能力者、勝紅炎
「いくぞ!」
掛け声と共に9人が同じ使命のもと、最後の決戦に向かう。
時は戻り2年前
七月七日。
「何あれ、きれい・・・・」「うわ!すげえ!」
世界中に流星が流れ落ちる。その流星は七色の工を描き世界中を撫で下ろす。NASAの研究者や宇宙関係者は突然の予期せぬ七色の流星に唖然とした。
それとは裏腹に、世界中の人間はその不思議な現象にただ感動を覚えた。
この現象が戦いの始まりの合図であることをまだ誰も知らない。
七月八日
勝家
流星群のニュースが流れる。しかしその家でニュースを見ているものは誰一人いない。
まだダンボールの片付けが終わっていないほどこの家の者は忙しいようだ。
ネコが丸まりソファーを占領する。
ガチャ!
玄関のドアを開け、家を出ようとする息子を見て母は声をかける。
「いってらっしゃい!友達たくさんつくってらっしゃいね!」
「んー」
青年は家を出る。
東雲家。古いアパート。
少年は玄関で靴を履き終わり母に一言
「いってくるね・・・」
少年の母「うん。がんばってね!緊張しないで!」
この家にも多くのダンボールが積み上げられている。
天王寺家。一軒家。
「つぐねちゃん?まぁなにこれ、オシャレ?可愛いじゃない!」
母親が娘の指についている指輪に目をやる。
「なにこれ?いつの間に!?」
娘は自分の人差し指についているリングを見つめ言った。
「学校につけて行ったら?」
「つけてけるわけ無いじゃない!私は風紀委員で学級委員なのよ!みんなの手本にならなくちゃいけない存在なの!これって遥の仕業!?」
ありふれた三階建ての高等学校。
今日あるメインイベントについて女子達が話を膨らませる。
「転校生どんな子だろうね!?」
「噂だと人数は二人でどっちも男子らしいよ」
「イケメンだといいな」
「この学校イケメンいないもんね!」
この学校の全男子に毒を吐く女子達。
不良達も集まって話をしている。
「転校生・・・・・」
「おもしれえ奴だったら俺達の仲間にしようぜ!」
「俺達のために尽くしてくれるお友達な」
不良達は笑い合う。
キーンコーンカーンコーン
まちにまった学校の朝のチャイムがなる
「全員席についてください!さっ・・・二人ともはいって!!」
女性の教師が教室に入るなり大きな声で今日のメインイベントを発表する。
転校生は二人。
二人の転校生を見た女子達と不良達の反応は真逆であった。
女子達はがっかりし、不良達は笑みを浮かべる。
転校生の一人目はメガネをかけた、いかにも勉強が好きそうな男子
手には赤い指輪をはめている。
もう一人の転校生は身長が低く弱々しい男子
転校生の自己紹介。
「勝紅炎です。よろしくおねがいします。」
もう一人の転校生もあわてて自己紹介。
「東雲仁です。よろしくお願いします。好きな食べものは母ちゃんのハンバーグ…なんちゃって…」
仁はギャグのつもりで言ったが、周りは気づかなかった。
「みんな仲良くしてあげるのよ!二人の席は窓側の後ろの席と廊下側の真ん中の席二つあるんだけどどっちがどっちにするか話し合ってちょうだい!」
話し合いを行う前に、紅炎が窓際へ歩いていくので、仁は仕方なく廊下側の席に向かう。
「あっ!!」
仁は足が何かにひっかかり転んでしまう。
不良達の一人が席に向かう途中の仁に足をかけ、転ばせたのだった。
「だっせ・・・」
「・・・・・」
クラスの半分ほどがクスクスと笑う。
それを見て面白そうだと思った不良の仲間が紅炎にも足をかけようとするが、紅炎はそのかけようとした足に気づき、それを踏みつける。
「いって!!!」
「てめえ!どういうつもりだ!?」
不良は紅炎の胸倉をつかむ。
紅炎はまったく動じず、不良の胸倉をつかんでいる手に人差し指を当てる。
すると不良は手を押さえ熱がり出した。
「?あいついったいどうした?」
「なに調子に乗ってんだ!!」
学級委員がやめろと言おうとした瞬間、先生が声を上げる。
「はあ・・・元気だねえ・・・止めろ!これ以上騒ぐとHR伸びるぞ!オイ!!」
不良は
なんとかおさまった。
昼休み
紅炎に仁が話しかけた
「勝君!君勇気あるんだね・・・僕もそんな勇気欲しいな・・」
「・・・・」
「そういえばあの人たちなんか熱がってたけど何かしたの?タバコか何か?僕もなにか武器もっておこうかな・・・」
「やめとけ・・・考えもなしに人を傷つける道具を持てば、知らない間に自分も傷つくぞ」
紅炎は立ち上がり教室の外へ出ようとする。
「・・・えっ?」
「いいか?忠告したからな!ひがしくも!」
紅炎はどこかへ行く
仁は落ち込む。
「しののめなんだけどな・・・・・」
しかし仁の肩が後ろから誰かに叩かれる。仁が喜んで振り返ると不良の3人組がいて、仁は不良に連れて行かれる。
「!・・・・あいつらまた・・・」
転校生が不良達に連れて行かれるのをみて学級委員”天王寺 つぐね”も追いかけようとする。
「つぐね!!ちょっと遅れちゃったけど大丈夫だよね!!?」
女子生徒がつぐねに昨日の数学の宿題を渡す。
「あ・・・うんこれからもっていくところだから・・」
しかし、昨日の宿題を職員室に持っていく仕事を学級委員として放り出すことはできなかった。
校舎裏
「とりあえず焼きそばパンとメロンパンな。お前らは?」
「パンとジュース!仁君のセンスにまかせるよ!」
「パン4つ買って来い!昼の分とおやつ!」
「あの・・・・お金は・・・」
「?てめえで払うに決まってんだろうが!?」
「僕今お金持ってなくて、転校してきたばっかりだし・・その・・・僕のお昼ならあるけど」
「・・・なめてんのか?」
仁は不良Aに顔を殴られ、仁の弁当を踏みつける
「しかたねえな・・・明日は金もってこいよ!ちなみに先公にばらしたら今のじゃすまねえぞ?」
仁は泣いてしまう
他のクラスの不良達も集まってくる。
その中でも髪が白くいかにもオーラのある不良がいた。おそらくボスであろう。
「オイ?新入り?いくら持ってた?」
「こいつ今日金持って無いみたいすわ・・」
「オイ!頼むよ!君には期待してるんだからさ!!」
ボスっぽい不良に仁は髪の毛をつかまれ、殴られる。
仁はボスの手を振りほどき何とか逃げることに成功
「オイ!逃げちゃったよ・・・・それでもう一人はどうだよ転校生は二人だろ?」
「あいつタバコを押し当ててきやがったんですよ!みてくださいこれ!」
不良Bの手には火傷の跡があった。
「もしかしたら結構やべえ奴なんじゃ・・・」
「オイ!ビビってんじゃねえよ!安心しろそいつがどれだけやべえ奴だとしても俺のバックには輪島組、本物の極道がいるんだからよ。なんかあったらあっちがただじゃすまねえよ」
ボスが大声で笑う。
昼休み終わったあとすぐの授業
つぐねが仁を見る。
仁の顔に殴られたあとを見つける。つぐねは転校生を守るためある決断をする。
学校は終了。
仁につぐねが話しかける
「あなたひどい傷ね。なにかあったの?はっきりいいなさい!」
「なにも・・」
「どうして嘘つくの?あなたの顔の傷!これあなたがあいつらに連れて行かれて戻ってきたらついてた!何かあった証拠よね!」
仁は立ち止まる
「まだ初日だ・・・様子をみる。」
「初日から殴られてちゃ今後がどうなるかくらい分かるでしょ!でもあんしんしてあたしが学級委員と風紀委員書記の誇りにかけてあんたを救ってあげる!」
仁はつぐねを横目で見た後、何も言わず去る
つぐねは不良が放課後よく集まる校舎の隙間に足を運ぶ
不良達が話しているのがみえる。
「ちょっと!!あなたたち仁君をいじめているでしょう!」
「・・・・・だれ?」
「俺らのクラスの学級委員ですよ。」
仁に足をかけ転ばせた不良が応える。
一人の不良が襟についている学年章をみる。
「そう・・・一年生・・・か・・・何の用ですか?お嬢さん」
「仁って言う転校生をいじめるのを止めてくださいといっているんです。」
「いじめてなんていないよ・・・あいつも好きで俺達といるんだよ」
「そんなわけない!仁君の顔にあざができてた!」
「はいはいごめんごめん・・・・っていうかお前誰?」
「私は天王寺つぐね!!1年C組学級委員で風紀委員よ!」
こいつらは風紀委員には頭が上がらない。
自らの経験に基づく、つぐねには自信があった。
風紀委員長「オイ!また不良達が暴れてるだと?ちょっと行ってくる」
つぐね「大丈夫なんですか?」
風紀委員長「オオ!大丈夫あいつらは風紀委員には弱いから」
つぐね「大丈夫でしたか?」
傷一つなくかえってくる委員長
風紀委員長「オオ!あいつらは悪い奴じゃない心から語りかければ通じるんだよ。」
委員長はいった風紀委員には弱い、さすがの不良達も停学や退学はこわいのね・・・
大丈夫!こいつら風紀委員には手も足も出ないんだから。
「風紀委員ね~・・・・」
不良達はクスクスと笑い始める。不良達の後ろからボスが現われる。
つぐねは目を見開いた。なんと不良達のボスは風紀委員長だったのだ。
「委員長?・・・・」
つぐねは委員長に殴られる
「リーダー来たんすか?」
「オオ!ひまだしな」
「リーダー・・・?」
「つぐねちゃん。風紀委員長は僕だこの学校は僕の好きなように動かす。邪魔すると本当に殺しかねないよ・・・・俺らのすることに口を出すな!!」
ボスは拳銃を持ち、つぐねの額にあてる。
「・・・偽物のくせに・・・」
銃声が校内に鳴り響く。
つぐねが自宅に着く
あたしなにもできなかった・・・
つぐねは不良のボスである風紀委員委員長に見逃してもらっていた。
つぐねはベッドに倒れこむ。
たすけてあげるどころかあたしまでターゲットにされちゃった・・・・
落ち込んでいると朝、指に勝手についていた謎の指輪が光っている
指輪をつぐねがつけると指輪がプロジェクターのようになり指輪から声が出る
「こんにちは候補生の皆様!連絡が遅れてしまい申し訳ありません。我らの住む土地とこの星とでは少し距離がありますので少し連絡が遅れてしまいました。私の名パルテナ。突然の流星群に驚いたでしょう・・その流星は私達がこの星に送り込んだリングです。」
(ニュースでやってたやつ・・?)
「さてリングを持つ候補生の皆様!あなた方はとても運がよい!我々の開催する神を決める戦い”GOD・フェリシタル・バトルロワイヤル”に参加することができます。参加資格はリングを持っていること。」
(なにこれ?)
「リングには不思議な力が宿っています。例えば雷や風を起こしたり、剣や盾を練成したりと能力は様々!このアナタだけの力で他のリング保持者を倒してくださいそうするとあなたの勝ちとなります。最後まで勝ち進んだ者には我々が”GOD”の称号をあたえます。GODになることができれば、すべての自然現象、人為的事故、人物の誘導と操作などあなた方の抱いている神のイメージと同じ力を手にすることができます。」
(本当に?なんか嘘っぽい)
「なんか嘘っぽい!とか考えている皆様のためにデモンストレーションをおこないたいと思います。空をご覧ください。」
つぐねが空を見るとオーロラ、竜巻、落雷、さらに火を吹く巨大な龍が空で暴れている。
落雷がある民家に落ちる。
そして一分ほどしてオーロラ、竜巻、落雷が消える。龍は花びらとなり消える。
「どうでしょうか。この力を手に入れる方法はひとつリングをもつ候補者をしとめ最後の一人になればいいのです。倒す方法は簡単です。相手を動かなくさせればいい。つまり、殺せばいいんです。では最高のバトルを期待していますよ。」
(殺す?・・・あたしこんなおそろしいことに巻き込まれたの?・・・・・でもこの力があればあいつらをおとなしくさせることができるかも)
つぐねが悪い顔をする。
落雷により民家が燃えている
民家の炎を紅炎が手をかざし指輪で炎を吸収する。
キーンコーンカーンコーン
「みんなおはよう!ん?バカども3人と転校生2人、しかもつぐねまでいないじゃない!今日何かあるの?」
「わかんないっす。」
「つぐねちゃんはさっき学校来てたけど・・」
人通りの少ない街路地
不良達が集まって話している
つぐねが現われる
「あれ?つぐねちゃん?どうしたの?」
「仁君が学校に来ていません!先輩!仁君に謝ってください」
「またその話か・・・てめえら・・やれ!」
つぐねが襲われそうになり、指輪をつけて対抗しようとするがリングからは何もでない。
つぐねがつかまる
(どうして何もでないの?おねがい出てなんでもいいから!)
「こいつっていい体してますね。」
「そうだな見てみるか・・・」
(嘘!?誰か!誰か助けて!!!)
つぐねが服を脱がされそうになった瞬間、不良Bが火達磨になり吹き飛ぶ
全員が火が飛んできた方向を見る
するともう一人の転校生、勝紅炎が立っている。
紅炎はつけていたメガネをはずす。
不良達が紅炎に襲い掛かる。
紅炎は強く、不良達を圧倒する。
そしてボスをも炎で吹き飛ばしてしまった。
この転校生・・・能力者だったんだ!!
この行為を電線に止まっている青い鳥が一部始終目撃していた。
空から透明な男が現われる
「早く見つけないと。その前に適当に憑依しとくか。」