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GOD  作者: 冬一 照
1/2

―序章―

よろしくお願いします。

人類が存在するのは地球だけではない。




この広い銀河には地球よりすぐれた技術力、見たこともない生物が住む星などが数多く存在する。その銀河の中でもより力のある星はその銀河の神都と呼ばれ、地球の所属する銀河にも神都が存在する。

その神都の名は神都バチェームキングダム。

バチェームキングダムには王様が存在する。その王様は”GOD”と呼ばれ銀河を統べる力を持つ。




「軍団長閣下!!!軍団長閣下!!!」

朝から大声で俺を起こすのは、二等兵の”チャップ・レッズ”という男だ。

こいつは俺の指定した時間にしっかりと仕事をする。いわゆる仕事のできる奴だ。だがしかし、いわれなければ何もしないのがこいつの残念なところ。自分の意思でしっかりとした道を示唆することができれば出世することは間違いないと俺は思う。

「もう起きてるよ!!!朝からうるせえ!!」

「ウィン・グラッド軍団長閣下!!!おはようございます!!!」

「んーああおはよう・・・・」


ウィン。それが俺の名前。どうして軍団長といわれているかというと、バチェームキングダムの9人の軍団長の一人であるから。

軍団長になれたのは、俺が珍しい種族だったからだろう。

じっさい俺の能力は戦いに向かない。


ウィンはベッドから起き上がり正装に着替える。

「チャップ!今日の予定の確認と歯磨き粉のついたぬれた歯ブラシ、それと朝飯の用意を同時進行で」

どうするのか・・・機械のお前もさすがにショートするのではないか?うっすら笑みを浮かべるウィン


ベーカリーにパンを入れ、食材を冷蔵庫から取り出しながら台所においてある歯ブラシを右足でつかみ水でぬらす。歯ブラシに歯磨き粉をつけ、フライパンに卵とソーセージをのせて焼く。

戻ってくるなり歯ブラシを渡して、今日の予定の確認を始めた。

「はい!今日の予定は朝10:30から神都パルズオッドの姫”アサナ”様との会合。

12:00から書類を片付け、13:00にGODの定例会議 15:00からキングダムより西に600キロはなれたプズワイアにて出現したウィザーデジョンの討伐・・・・・・・・」



なんという男だ。今日の俺のすべての予定を暗記しているではないか。まだ長くなりそうなので午後の予定はまたあとで聞くとするか。俺は暗記に自信は無いのだ。


「18:00には1、3、4、5、7、8の軍団長で神都ジュールと神都ゾームパラセクトとの戦争に加勢していただくことになります。同盟都ジュールの勝利が目的です。」

「了解だ・・・・」

早く用意を済ませ、パルズオッドからの使者を飛空挺ターミナルでお迎えしなくてはならない。

面倒だな・・・・・・・。

10:30

飛空挺ターミナルは扇型に落ちる滝のような神秘的な風景となっている。実はこれはすべて科学の力でできている。おっとそろそろ姫様が参上なさるぞ。

「おはようございます!バチェームキングダム第8軍軍団長”ウィン・グラッド”であります。」

笑顔の練習をしておいてよかった。



12:00

はあ。多くね?

「もうめんどくさい!!だるいよお!」

女の秘書”ラズベリー”がすぐに応える。

「軍団長が昨日の分をおろそかにするからでしょう!私が確認してなければ軍団長の座を下ろされていたところです。」

「何だよケチ!目悪いくせに・・・」

「両親が視力が悪かったのですよ!別にはずそうと思えばレーシックの手術します。これはわたしのアイデンティティだと思っていますから問題ありません!」

「あっそ」




13:00

GODの定例会議。

「さてさて今日も最高のお茶会にしようではないか!」

GODの定例会議=GODの持ってきたお茶を軍団長全員で飲む会

である。60年間7日に一回だけある。もう当たり前のこととなりほかの8人の軍団長は何も言わずただ週に一度のお茶会を楽しんでいる。俺もその一人だ。

だから軍団長同士仲が良く当然GODも全員と仲がいい。

だがしかし・・・・・

「ウィンどうした?疲れてんのか?」

声をかけてきたのは第9軍軍団長ルー・スポルカ

「当然でしょう。最年少なんだから・・・大丈夫でちゅか?」

ウィンをバカにするのは第4軍軍団長ミサナ・アズドール 性別は女

ウィンはアズドールの紅茶の入ったカップに人差し指を当てる。

「まあがんばってねえ~おちびちゃん!」


「アハハハハハ今日もたのしいねえ!!」

GODは大きな声で言う。


「ん?あれ紅茶が・・・ウィンあんたね!!!」

紅茶はカップから出てこない

ウィンはにやりと笑う。


お茶会も終わりを向かえ、みんなが部屋を出る。

ウィンは花のブローチを見つけた。

そのブローチはGODの私物でいつも服のすそについている物だ

あとで返しにいかないとな。



16:24

シャワールームにて

「くっそ!!ウィザーデジョンだっけか?ふざけた能力だぜ!!分身したうえに砂の中にかくれちまうんだからよ!!」

「確かに今回は骨が折れましたねえ・・・」

「さっさと部屋で寝て睡眠をとりたい」


18:14

「おちびちゃんはなにやってんのよ!!!」

アズドールが叫ぶ。

「寝ているみたいゲス・・起こそうと思えば起こせるでゲス、けど昼間の戦いで疲れているみたいでゲスし・・・」

ゲスゲスいうのは第7軍軍団長ジャムジャムラ

一人の男が歩いてくる。

男の正体はルー・スポルカ

「おれがかわりに行こう。今日はキングダムの巡回だったんだが、ファントムの故障で明日に持ち越しになって体力が有り余っているんだ!」

「うむ。お前がくるならそれでもよい。では参るぞよ!」

第1軍軍団長の一声で飛空挺が動き出し、神都ジュールへとむかう。


19:09

「んあ?・・・・今何時だ?おい!!!!チャップ!!!!」

「はい軍団長!!!」

「今何時だ!!!?」

「19:00をまわったところでございます!!」

「戦争に行かなくちゃ行けないんだよな!!!なんで起こしてくれなかった!!!?」

「軍団長ルー様が代わりに向かわれました。軍団長は昼間の魔物との戦闘でお疲れとの話を耳にしたようで・・・」

「そっそうか・・・ルーには悪いことをしたなあ」

お茶会をした場所にウィンははいり食事をする。

この部屋で軍団長達は食事をする。ウィンはちょうどディナーを食べ終わり、第2軍軍団長マリー・ディゼルダと話す。

「じゃあそろそろ部屋に戻ろうかな・・・」

談笑もひと段落つき部屋に戻ろうとウィンが腰をあげたとき、GODのブローチを自分が持っていることを思い出す。

「マリー!GODは今どこにいるか知ってる?」

「んーそういえばアタクシの部下が地下の入室禁止の書庫に入っていくのを見たといっていたワ!何か調べ物でもあるのでわないカシラ・・・」

「そっかサンキュー」







入室禁止の書庫。とは言われているがGODと軍団長は入室が許可されている。バチェームキングダムの歴史やこの星の技術の元になっている書物、名の残る研究者の研究書などがある。

入室禁止になったのは過去に敵神都のスパイが書庫に入り込みバチェームキングダムの弱点を知ろうと入り込んだのがきっかけらしい。

ちなみに俺は今回で・・・数え切れないほど書庫に入っている。

面白い書物もたくさんあって軍団長のなりたてのときはよく訪れたものだ。


さてGODを探さないと。

「どこだ?・・・・・・」

ウィンが書庫を歩き回るすると地下に続く階段があるではないか。

「なんだこれ・・・・こんな隠し部屋があったのか・・・!!」

ウィンはGODを探すのを忘れ好奇心で書庫の地下室に入る。


地下室には大きなテーブルに何枚もの紙が置かれている。

本は本棚一つだけで、その一つの本棚に300冊ほどぎっしり入っているだけ。

「あんまねえんだな・・・」

ウィンはテーブルの上の紙に目をやる。

「ん?真のGODの消滅の手段は真のGODの生み出した無限の力を持った石にある。・・・何じゃこりゃ。これは・・・9つの神のリングにより、真のGODの居場所へたどり着くことができる。」

真のGODって言うのはマジモン(本物)の神様のことだったな・・・・・

「真のGODの所有権をパンプトゥ・ジェイルにうつす方法。9人の軍団長に強制的に歯車をあわせ、9つのリングの所有者とする。無理やり歯車を合わせられた軍団長は感情を失い、数日後に生命活動を終える。その間に9人を生贄とし真のGODの空間に・・これはいったい!!!?」


ウィンの後ろに男が立つ。

「あらら・・・・ばれちゃった・・・」

「どうしてですか?GOD!!!」

パンプトゥ・ジェイルそれがGODの本名。

「なんですかこれは!俺達軍団長を生贄って・・じょうだんですよね?」

「フフフフフフフフフフフフ・・・アッハハハハハハハハ。エイト!!!それを知ってしまってはお前を生きて返すわけにはいかない。」




ゾクッ!!!!!!!!!!!!!




「待って下さい!」

「死ね。」

「くそっ仕方ない!キュクル・パリネぉ・・・」

GODが見える方向とは、真後ろから包丁を互い違いに柄でくっつけたような大剣でウィンの体を突き刺す。

「うしろ・・・だと・・・・」

「はあ・・・どうしてエイトがここにいるんだい?

・・・ああそういえば君の変わりにナインが戦争に向かったんだっけ?

残念だなあ彼のせいで君は死ぬことになってしまったのだから・・・僕も悲しいよ。

器が一つ減ってしまったのだからね!!!アッハハハハハハハハハハハハ!!!

安心していいよ君の葬儀は明日とりおこなわせるから・・・・・」

ウィンは大量の血を流し死んだ。




<急がなくては・・・誰に憑依する?・・・しかたないチャップだな。>

チャップはウィンの部屋を掃除している。

「軍団長おそいなあ・・・まだ食事してい・・・・・・」

チャップは一瞬意識を失う。

「憑依完了!」

チャップはそういうと持っていたほうきを投げ捨て、走り出す。


チャップがたどりついた場所はGODの神室。

「チャップ殿ではありませんか何か急用ですか?あいにくGODはいまこの部屋にはいらっしゃいま・・・」

護衛がいるが関係ない今は急ぎだ。護衛の気を失わせ神室に入る。

「どこだ?どこにある?」

小さい高級な物が入っていそうな箱をみつけチャップは開けて中をのぞく。

「これだ!!次はターミナルだ!!」

「ねえ・・・どこにいくんだい?エイト。」

チャップが振り向くとそこにはGODが立っていた。

「いやだなあGOD私ですよ覚えていませんか?第8軍二等兵チャップ・レッズですよ。」

「ど忘れしていたよ。そういえばエイトは”転生の一族”生き残りだったもんね。うっかりしていたよ。」

そう、いまチャップの意識はウィンで、チャップの体に転生している状況にある。

チャップの体でウィンは走り出す。

窓から飛び降り、ターミナルに向かう。

しかし空中でGODの攻撃を受けてしまい、高級そうな箱から9つのリングが零れ落ちる。

この九つのリングこそがジェイルの企みをかなえるアイテム。

チャップは攻撃をモロに食らってしまい体半分を失い死んでしまう。

「手間取らせやがって・・・・転生の一族を失っちまうのは少し残念ではあったが・・仕方ないか」

GODはリングを拾い上げる。リングすべてにヒビが入っていた。

「・・・・・・くそっ!!!!!偽者か!!!」





本物のリングはラズベリーに転生したウィンが持っていた。

実は9つのリングの入った箱の偽者をわざとチャップが本物を持っていったふりをして、窓から飛び降りたのだ。そしてラズベリーに転生したウィンが本物を速やかに持っていくという作戦であった。

魂の中で会話ができる。

<<ごめんな。変なことに巻き込んじまって!>>

<<何言ってるんですか軍団長!!この全宇宙を救えるならば私の命の一つくらい何の迷いも無く差し出せますよ!!>>

<<おまえもチャップと同じことを言うんだな・・・ありがとう。本当にありがとう。>>




ラズベリーは片腕を失っている。ラズベリーの意識は今はウィン。

「返せ・・・」

「渡せない絶対にだ!!」

あと少しでターミナルに到着できる。ターミナルにこのリングをセットして宇宙そらに打ち上げれば自然とリングは持ち主を求め世界に散らばる。あと少し、あと少しだ!

GODの攻撃がラズベリーの足に当たり足は消滅。ラズベリーの足は一本となってしまった。

ウィンは箱を開けリングを2つほどつかみターミナルの滝つぼに投げ入れる。

「なっ!」

GODは翼を生やし2つのリングを拾いに向かう。


ターミナルは営業時間外なので誰もいない。

その間にラズベリーは残りの7つのリング専用の機械にいれリングを宇宙そらへと放つ。

ラズベリーは大量の血を突然吐く。胸に大剣が突き刺さっている。

力を振りしぼり、後ろの男にラズベリーは言い放つ。

「あなたのまけよ・・・ぐんだ・・・・んちょうは・・あ・・・たし・・・たちの・・・」

ラズベリーは意識を失う。






放たれた7つのリングはリングの正統後継者を求め散らばった。





空を見上げるGOD

「くそっ!クソオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!!」





ジェイルの雄叫びはターミナルに響き渡った。

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