あだ名【200文字】
習字の時間。
少年は筆に墨汁を染み込ませる加減さえも苦労しつつ、何度もチャレンジした。やがて、納得のいく“春”という一字が書けた。
半紙を堂々と埋めている春。
と、少年は、自分の名前も書かなければならないことを思い出す。
細筆でおそるおそる、狭い隙間に、縦長に記名していく。
その後、休み時間ーー。
「ウロノロロって、誰? お前なの?」
「ものすごいパワフルな春だねー、ウロノロロくん」
宮口少年、10回目の春だった。
宮口さん、申し訳ありません。
習字の時間。
少年は筆に墨汁を染み込ませる加減さえも苦労しつつ、何度もチャレンジした。やがて、納得のいく“春”という一字が書けた。
半紙を堂々と埋めている春。
と、少年は、自分の名前も書かなければならないことを思い出す。
細筆でおそるおそる、狭い隙間に、縦長に記名していく。
その後、休み時間ーー。
「ウロノロロって、誰? お前なの?」
「ものすごいパワフルな春だねー、ウロノロロくん」
宮口少年、10回目の春だった。
宮口さん、申し訳ありません。
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