ワンコ系辺境伯に白い結婚宣言をされたのでメンチをきったらヤンデレ気味に激重愛を示されました。
結婚式後の初夜、夫になった辺境伯アレクに突然白い結婚宣言をされてしまい、思わず最恐のメンチを切ってしまう(ガンを飛ばす)帝国の第3王女エクスタのお話です。
あちゃー!!やり過ぎた?
帝国の第3王女エクスタは、目の前で俯いて震えている大男を目の前に、先程自分がしてしまった事を少し反省し、その震えている大男に手を差し伸べようとしているのであった。
♢
薄暗い部屋には暖炉の炎が揺らめいている。
そこに、美しい金髪の綺麗なブルーの瞳のエクスタが、肌のラインが見える露出度の高い薄い寝巻きを身に付けていた。
今日は、この帝国の第3王女エクスタと、辺境伯アレクとの結婚式が執り行われたのだ。
そして、夜になり初夜を迎えようとしていたのであった。
♢
エクスタとアレクの2人にはほとんど面識がなかった。
これは、王命で、政略結婚だ。
だがエクスタは、ほとんど話したことがなかった目の前のアレクに、全てを捧げても良いと感じる位には惹かれていたのである。
この大男…辺境伯アレクは、金髪の短髪で、前髪を上げたヘアスタイルだ。
そして逞しい筋肉達…三角筋、上腕二頭筋等の持ち主だ。
エクスタは、特にアレクの時々見せる上目遣いの眉毛がキュッと下に下がる表情が好きだったのだ。
♢
……で…、、だ。
何故、目の前のアレクが俯き震えているのかというと……。
アレクが先程、第三王女エクスタに向かってこう言い放ったのだ。『あなたとは夫婦の契りは出来ません。
申し訳ないですが、……白い結婚をさせて頂きたい。私には私の魂を捧げた相手が既にいるのです。」と、寝室に入るや否や宣言したのである。
エクスタは咄嗟に思った。
コイツはなんて酷い残酷な奴なんだ!
帝国の第3王女が、こんな右も左もわからない辺境の地に覚悟を決めて、ここに一生を捧げ骨を埋める気持ちで嫁いできたというのに、なんて事を言うのだ。
魂を捧げた相手がいるだと?
しかも……。
白い結婚宣言だと!?
とんでもない侮辱的な発言に、一気にエクスタの怒りの導火線に火が着いた。
そして、気がついたら、やってしまったのだ。
大男を相手に、メンチをきって(ガンを飛ばす)しまったのだ。
相手を斜め下から見て、眉間にシワを寄せて思いっきりガンをとばしたのだ。
泣く子も黙る史上最恐のメンチきりを!
これをくらうと誰もが、びびって泣いてしまうのだ。
…例えそれがいかつい大男だとしてもだ。
♢
私は実は転生者だ。
転生前は日本という国で暮らしていて、泣く子も黙るレディースの総長をしていた。
記憶はおぼろげだが、兎にも角にも、極上のメンチ切りをするだけで、相手は震えて泣いてたのさ。
喧嘩に明け暮れ、仲間達とつるむ毎日。
そんなある日、私のいかしたバイクで峠の頂上に行こうとしていた所、バイクがスリップし、死んでしまったのだ。
そして、気がついたらこの世界の帝国の第3王女に転生してたって訳なのだ。
前世の振り切った暮らしぶりは置いておいて、今世は、生まれながらの貴族様で王女だ。お嬢のてっぺんの地位だ。
だから、普段はおしとやかに、品のある立ち居振る舞いを心掛けているのだが、たまーに、ごく稀に此のように曲がった道理に直面すると、ついつい出てしまうのだ。
レディース時代に培ったメンチ切りが!ハハハ‼︎
しかし、向こうがいくら理不尽な要求をしたとしても、帝国の王女の振る舞いとしては、良くなかったかもしれない。
何も大男の辺境伯をを震えさせ泣かせる必要はなかっただろう。
エクスタは少しばかり反省をし、アレクに白く細い手を差し出したのであった。
♢
先程から、震えながら泣いている立派な筋肉を持ち合わせた栗色の目のアレクだが、エクスタのメンチ切りが恐ろしくて泣いている訳ではなかったのだ。
恐ろしいのではなく、エクスタにメンチ切りをされて、喜びと感動のあまりぞくぞくと震えながら、涙を流しているのであった。
♢
実はアレクは転移者なのだ。
魂が尽きる瞬間に他の体に魂が入ったのだ。
転移前は日本という国で暮らしていた。
ある女性にゾッコンであった。
そう、目の前のエクスタ女王…!
レディースの総長……莉愛羅にぞっこんであったのだ。
莉愛羅の運転するバイクの後ろに乗っていて、バイクの事故で亡くなる寸前に、この世界の体の持ち主の命が尽きる瞬間に魂が入りこんだのだった。
♢
このメンチ切り。この角度、この威嚇!
莉愛羅に違いない、他の者には出来ない圧倒的威圧感に存在感。
身体中に電撃が走り痺れる。
嬉しさのあまり震える。ゾクゾクして魂も震える。涙がとめどなく頬をつたうのだ。
俺の心から愛した女だ!未来永劫愛を誓った莉愛羅だ。
俺はバイクの事故にあい、この世界に転移してしまったのだが、その後の莉愛羅をとても心配していたのだ。
例え2度と会えないとしても、一時も忘れることの出来なかった俺の女だ。
アレクは、アレクに向けられた指先に吸い込まれるように近寄り、自らの唇に押し当て口の中に入れ込む。
愛しい莉愛羅の全てを欲しているのだ。奇跡的に会えた喜びを……。
思いの丈を白く細い指にこれでもかとぶつける。
(もう、逃がさない。逃がしてあげれないよ、
一生。)
アレクは眉尻をグッと下に下げ、上目遣いでエクスタを見た。
そして、舌を指にねっとりと丁寧に絡ませた。数10年の空白を埋めるかのように、ねっとりと指を舐めあげたのであった。
エクスタは、指を舐められてしまい、至極驚いた。
一瞬にして、全ての神経が指に集中してしまうのであった。
とても心地よく、エロティックな気分になってしまった。
ブルーの瞳と栗色の瞳の奥にあった静かに揺らめいていた炎が一気に燃え上がる。
エクスタは今まで感じていた怒りの気持ちが消えてしまい、熱い視線をアレクに注いだのであった。
……と、……。
突然、アレクが首からぶら下げていた革紐のネックレスに手を掛け、革紐のネックレスをひきちぎったのであった。
革紐のネックレスの先には、リングが通してある。
アレクはエクスタの全てを見逃すまいという感じでじぃっと見つめながら、革紐からそのリングをスルリと抜き取り、そのリングをエクスタの薬指にぴったりと嵌めたのであった。
こ、これはこの指輪は……
カルティ○の指輪だ。ずっと欲しかった指輪だ。
エクスタの脳内で、目まぐるしい勢いで、おぼろげだった前世の記憶が思い出されていくのであった。
エクスタのブルーの瞳からも涙が流れた。
バイクで峠の頂上まで行こうと運転していたのだが、その後ろには最愛の彼氏を乗せていたのであった。
おぼろげだった記憶が、今はっきりと鮮明に思い出された。
私の運転で殺してしまったのだ。
「玲斗…」ポツリと呟くとアレクは、愛おしそうにこちらを見つめ頷いた。
そして、逞しい筋肉で、2人の境目が無くなるかのように抱き締めてきたのだ。
エクスタは心の奥底から喜びと愛おしさの感情が押し寄せるのを感じた。
が……同時に怒りの感情が沸いてくるのを感じたのであった。
エクスタの左薬指には、先程のカルティ○の指輪の感覚があったのだが、右薬指にも指輪の感覚があった。
そうなのだ…。昼間に執り行われた結婚式の指輪交換の時に、コイツは左ではなく右に指輪を嵌めてきたのだ。
その時は、純朴そうな辺境伯なので間違えたのか?と思っていたのだが、否!!!っっ。コイツは確信犯だったのだ。
エクスタを伴侶として認めないとキッパリ拒絶してやがったのだ。
そして、、『白い結婚』宣言をしたのだ。
愛しい男と思いつつも、その男に対して再び沸々と沸き上がる怒りもあった。
1度シメたらなあかんな。
その根性叩き直したる!
決死の覚悟で来た王女をどんな理由があるにしろ、自分の都合だけで拒絶するのは筋違いだろ??
力強く逞しい筋肉でピタリと抱き締められていたので、エクスタの華奢な身体では押し退けることは出来ず、相手の思うままだ。向こうもそう思っているのだろうな。
「腕力だけならな。」
エクスタは、小さいがドスの効いた声で、そう呟き指先に魔力を込めるとアレクに放った。
するとでかい図体は、フワフワと宙に浮き、そのまま近くのベッドに無造作に下ろされたのであった。
アレクの四肢はエクスタの魔法によって、自由が効かなくなっていた。そこへ股の間にエクスタが入り込んでこんできた。
パッと上を見れば薄いセクシーな寝巻きを身に付けたエクスタが、とんでもない鬼の形相になって、メンチをきってくるのだ。
エクスタの長い金色の髪が、アレクの頬にかかる。
アレクにはエクスタが相当怒っているのが、ひしひしと伝わった。
しかし、その怒りすらアレクにとっては自分に向けられている尊き感情だ。
莉愛羅への愛を貫こうとした結果、1人の王女を傷つけたことに気付き反省したが、同時に愛する人が、怒ってガンを飛ばしている状況にゾクゾクしてしまうのであった。
「王女様、申し訳ございませんでした。」
アレクは、上目遣いのウルウルした目で真剣に謝罪する。
その上目遣いのウルウル目。そのやり口には、昔から弱いのだ。
1度、ビシッとシメてやろうと思ったのだが……。
エクスタはため息を尽き、首を大きく横に振った。
「事故に巻き込み本当に申し訳なかった。
しかし、 蔑ろにしようとした事は許さない。」
きっちり落とし前はつけてもらおうか。
エクスタは、自分の顔を栗色の瞳に触れる位近づけた。
そして、パチンと指を鳴らし、アレクの拘束を解いた。
拘束を解いた途端に、アレクの素晴らしい腹筋が、ものすごい勢いで上半身を起こした。
自分の股の間にいるエクスタを、エクスタの柔らかな体を感じながら、ぎゅっと抱き締めた。
エクスタもアレクをぎゅーっと抱き締めた。
──深く深く熱いキスをした。
その後は、もう互いの勢いは止まらなかった。
アレクはすがるような目で、途切れることなく何度も、甘い声で愛の言葉をささやくのであった。
最初は色々な感情が渦巻いたが、徐々に2人の互いを深く愛する心が絡み合った。
そうして、当初の目的の子を授かるための初夜も滞りなく熱く深く長く行われた。
落とし前はきっちりとつけられたようであったようだ。
──終わり──
お読み頂きありがとうございます!
今回は溺愛執着系を執筆したくなり(どうしても!)執筆致しました。
短編なので、1文1文を大事にしてます。(が、とんでもなく間違えてるときもあります、ごめんなさい。教えて下さった方ありがとうございます。)
ヤンデレ要素は、上手く書けてますでしょうか?
もし、少しでも良かったな!または、ヤンデレ感じましたという方は、評価、ブックマーク、感想等頂きますと、とてもやる気になります。
どうぞよろしくお願い致します。




