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第二部 第4話 ###「切り離された共鳴」

1.通知


アリアの端末が、

短く鳴った。


《星槍共鳴制御措置を実施》

《対象:天城アリア/月白リリィ》


文字は、

冷たい。


意味は、

一つ。


2.遮断


訓練場。


アリアが、

星槍を握る。


――何も感じない。


いつもあった、

“もう一つの鼓動”が

消えている。


「……先輩」


呼んでも、

応えはない。


3.説明


研究区画。


「共鳴が、

個人を超えすぎた」


「感情干渉が、

戦闘判断を鈍らせる」


淡々とした声。


「だから、

切った」


4.理屈と現実


「……それで」


アリアは、

小さく問う。


「先輩は、

楽になりますか」


研究員は、

答えない。


5.空白


前線。


リリィは、

異変に気づいていた。


(……静かだ)


痛みも、

焦りも。


何も、

流れてこない。


6.強さの違和感


ノクスを斬る。


正確。


速い。


だが――

虚しい。


(……私は、

こんな戦い方を

してたか?)


7.支援の失効


別エリア。


アリアの部隊〈セレナ〉。


「支援波、

展開できません!」


星槍は、

起動する。


だが、

広がらない。


8.個としての限界


「……ごめんなさい」


アリアは、

膝をつく。


一人では、

守れない。


(私は、

繋がっていたから

強かった)


9.同時刻


リリィも、

膝をついていた。


息が、

荒い。


「……クソ」


孤独な強さは、

長く続かない。


10.すれ違う願い


基地。


二人は、

すれ違う。


視線が合う。


だが――

何も、

伝わらない。


共鳴は、

完全に沈黙していた。


11.選択の影


夜。


アリアは、

星槍を床に置く。


「……それでも」


「私は、

やめない」


声は、

小さいが

確かだった。


ラスト


切り離された共鳴。


だが――

完全に断たれた

わけではない。


星槍は、

まだ覚えている。


“二人で在った強さ”を。

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