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第30話 ###「星槍の再定義」

1.戦後の静寂


瓦礫の街。


ノクスの残滓が、

風に溶けていく。


アリアは、

自分の手を見つめていた。


――光は、もう刃ではない。


2.報告書


基地・会議室。


星槍ルミナス・ノート


「攻撃出力、

従来比40%低下」


上層部が、

眉をひそめる。


「だが――」


研究員が、

言葉を続けた。


「周囲の生存率は、

過去最高です」


3.理解されない力


「戦力としては、

不完全だ」


冷たい評価。


「前線向きではない」


アリアは、

俯いた。


(やっぱり……)


4.リリィの一言


「違う」


短く、

鋭い声。


「彼女は、

戦場を“変えた”」


全員の視線が、

リリィに集まる。


5.再定義


「今までの星槍は、

“倒すための祈り”だった」


リリィは、

続ける。


「だが――」


「アリアの星槍は、

“共に生きるための祈り”だ」


沈黙。


6.星槍の応答


その時。


《ルミナス・ノート》が、

柔らかく光る。


刃は、

現れない。


代わりに――

二人を繋ぐ光の線。


7.アリアの言葉


アリアは、

一歩前に出る。


「私、

強くなりたいんです」


「でも」


「誰かを

置いていく強さじゃなくて」


声は、

震えない。


8.選ばれた意味


「選ばれなかった人の

痛みを知った今」


「それでも、

一緒に戦える形を」


「探したい」


9.決断


長い沈黙の後。


「……暫定承認とする」


星槍ルミナス・ノートを」


「支援特化型・星槍として

再登録」


息を呑む音。


10.並び立つ二人


格納庫。


新しい識別灯。


リリィは、

隣に立つ。


「満足か」


アリアは、

少し考えてから笑う。


「はい」


「先輩がいるなら」


11.未来へ


出撃口。


二人の影が、

重なる。


刃は、

必ずしも

希望じゃない。


だが――

祈りは、

形を変えて

未来を切り拓く。


エピローグ


星槍は、

もう問いかけない。


それでも、

二人は歩く。


選ばれるためじゃない。

共に在るために。


物語・第一部 完

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