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第29話 ###「力なき出撃」

1.警報の中で


基地全体に、

赤い警告灯。


「月白リリィ、

交戦中!」


「増援、

間に合いません!」


管制の声が、

焦る。


アリアは、

星槍を見る。


――光らない。


2.選択


(……それでも)


アリアは、

ヘルメットを手に取った。


「天城アリア、

出ます」


一瞬、

沈黙。


「星槍、

未起動だぞ!」


「分かってます」


声は、

震えていなかった。


3.無武装


輸送機の中。


手にあるのは、

通信端末だけ。


(怖い)


でも――

立ち止まれない。


4.戦場の景色


瓦礫の街。


ノクスが、

リリィを包囲している。


双剣は、

傷だらけ。


「……来るな!」


リリィが、

叫ぶ。


5.届かない声


アリアは、

必死に叫ぶ。


「先輩!」


「下がって!」


声は、

銃声に消える。


6.盾になるもの


咄嗟に、

アリアは走った。


リリィの前に、

飛び出す。


「やめ――!」


衝撃。


アリアの体が、

吹き飛ぶ。


7.世界が止まる


「アリア!」


リリィの声が、

割れる。


瓦礫の中、

血。


動かない体。


8.祈り


(……怖い)


(……でも)


(先輩を、

一人にしない)


その想いだけが、

残る。


9.共鳴


《ルミナス・ノート》が、

強く震える。


拒絶ではない。


問いかけ。


「……私は」


アリアは、

掠れた声で言う。


「選ばなくていいなら……

戦えます」


10.再起動


星槍が、

初めて応えた。


光は、

刃ではない。


円環のような、

守りの光。


リリィの周囲を、

包み込む。


11.二人で立つ


「……馬鹿」


リリィは、

涙を滲ませる。


「守られる役を、

奪うな」


アリアは、

微笑んだ。


「一緒なら、

いいですよね」


ラスト


ノクスは、

二人に触れられず

消えていく。


アリアの星槍は、

完全には戻らない。


だが――

新しい形で、

共鳴していた。


刃ではなく、

“共に立つ意思”として。

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