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第28話 ###「星槍の拒絶」

1.異変


訓練場。


アリアは、

いつものように

星槍を構えた。


「……?」


応えが、

ない。


《ルミナス・ノート》は

光らず、

音も立てない。


2.沈黙


「共鳴率……

計測不能?」


オペレーターが、

声を上げる。


「壊れたんですか……?」


アリアの声は、

掠れていた。


3.診断結果


医療区画。


白衣の研究員が、

端末を見つめる。


「星槍は、

正常です」


「拒絶しているのは――」


視線が、

アリアに向く。


「君の“心”だ」


4.理由


「前回の戦闘で」


「君は、

救いと排除を

同時に願った」


「星槍は、

迷いを刃にできない」


言葉が、

胸に落ちる。


5.役に立たない自分


廊下。


アリアは、

立ち尽くす。


(私が、

いなければ……)


星槍を持たない自分は、

ただの一年生。


6.リリィの葛藤


別室。


リリィは、

一人で双剣を握る。


(守ると決めた)


(だが……

彼女から力を奪う世界を、

私は許せるのか)


7.出撃要請


警報。


「ノクス出現!」


「……月白リリィ、

単独出撃を要請」


一瞬の、

沈黙。


リリィは、

歯を食いしばる。


「……了解」


8.置いていかれる痛み


格納庫。


アリアは、

その背中を見送る。


「先輩……」


声は、

届かない。


9.戦場


激戦。


数が、

多すぎる。


リリィの動きが、

僅かに鈍る。


(……くそ)


10.祈りだけが残る


基地。


アリアは、

星槍を胸に抱く。


「お願い……」


「力じゃなくていい」


「一緒に、

戦わせて……」


涙が、

落ちる。


11.小さな応答


その時。


《ルミナス・ノート》が、

微かに震えた。


光ではない。


温度。


(……まだ、

終わってない)


ラスト


戦場の空。


リリィが、

膝をつく。


刹那――

遠くで、

淡い光。


アリアの祈りが、

刃ではなく

“道”として届いた。


星槍は、

まだ拒んでいる。


だが――

完全には、

背を向けていなかった。

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