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第24話 ###「模倣される聖槍」


1.不完全な再現


合同演習当日。


観測モニターに映し出されたのは、

異様な部隊だった。


二人一組。

武装は、槍型。


「……あれは」


アリアの喉が鳴る。


「星槍計画の、

模倣型だ」


上層部の声は、

重い。


2.歪んだ共鳴


模倣型ペアが、

演習エリアに展開する。


共鳴波形は、

確かに二人分。


だが――

不安定。


「無理やり、

繋げてる……」


リリィの目が、

細くなる。


(心を、

押し付け合ってる)


3.戦闘開始


演習用ヒュージが、

投入される。


模倣型は、

圧倒的な火力を見せた。


だが――

一体、また一体。


動きが、

乱れ始める。


「共鳴率、

急降下!」


管制が、

叫ぶ。


4.崩壊


突然。


模倣型の一人が、

膝をついた。


「……やめ……」


言葉にならない叫び。


もう一人が、

無理に引き上げる。


その瞬間――

暴走。


5.演習から実戦へ


結界が、

破られた。


「ヒュージ反応、

想定外の増殖!」


演習は、

実戦に変わる。


「星槍組、

出撃要請!」


6.踏み出す理由


アリアは、

一瞬だけ迷う。


(あれは……

私たちの影)


でも――

リリィが、

静かに言った。


「見せるしかない」


「本物の共鳴を」


7.二人で立つ


戦場。


星槍ルミナス・ノートが、

澄んだ光を放つ。


模倣型とは、

違う。


押し付けない。

奪わない。


ただ――

重なる。


8.救うという選択


暴走する模倣型の前に、

アリアは立った。


「……止めます」


「壊すんじゃなく」


リリィが、

頷く。


「支える」


9.祈りの届く距離


アリアは、

星槍を掲げる。


(あなたたちも、

一人じゃない)


共鳴波が、

柔らかく広がる。


模倣型の数値が、

僅かに――

戻る。


10.断ち切る刃


だが、

限界は近い。


「……ここまでだ」


リリィが、

一歩前へ。


双剣が、

暴走部分だけを

正確に断つ。


共鳴は、

完全に停止した。


11.静まり返る戦場


ヒュージは、

消滅。


模倣型の二人は、

その場に座り込む。


「……怖かった」


その言葉が、

全てだった。


12.示された違い


管制室。


誰も、

否定できなかった。


「力じゃない……」


「関係性だ」


星槍組は、

破壊ではなく、

終わらせた。


ラスト


帰還後。


アリアは、

星槍を見つめる。


「……真似されても」


リリィが、

隣に立つ。


「私たちは、

私たちだ」


星槍ルミナス・ノートが、

静かに応える。


それは――

唯一無二の共鳴。


だが同時に、

世界は知ってしまった。


“二人で戦う力”が、

再現可能だということを。


争いは、

もう避けられない。

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