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第22話 ###「正式ペアリリィ」

1.試験作戦


「これより、

特別編成リリィによる

実地試験作戦を開始する」


作戦名は、

伏せられていた。


成功すれば――

二人は“正式”。


失敗すれば――

すべて、終わる。


アリアは、

深く息を吸った。


(大丈夫……

二人なら)


2.名を呼ばれる


「天城アリア。

月白リリィ」


管制官が、

一拍置いて続ける。


「仮称ではあるが――

君たちを

**ペアリリィ《聖槍組》**として

扱う」


その言葉に、

胸が熱くなる。


リリィは、

短く答えた。


「了解」


3.戦場


荒廃した都市区画。


複数のヒュージ反応。


「数が多い……」


だが、

恐怖はない。


アリアは、

星槍を握る。


「先輩」


「分かってる」


視線だけで、

通じ合う。


4.祈りと刃


最初の一撃。


リリィが、

前に出る。


アリアは、

一歩後ろ。


完璧な距離。


星槍が、

澄んだ音を立てる。


(歌ってる……)


5.連携の完成


ヒュージの攻撃。


「右、来ます!」


「了解」


言葉は最小限。


だが、

動きは一つ。


斬撃と、

光が重なる。


6.観測者たち


管制室。


誰も、

声を出さない。


数値は、

安定。


共鳴率は、

高いまま――

危険域に入らない。


「……制御、

できている」


誰かが、

呟いた。


7.揺らぐ世界


敵の核が、

露出する。


「……終わらせます」


アリアの声は、

澄んでいた。


祈りが、

刃になる瞬間。


8.決着


光が、

都市を包む。


静寂。


ヒュージ反応、

完全消失。


9.沈黙の後


通信が、

数秒遅れて戻る。


「……作戦、成功」


管制官の声が、

わずかに震えていた。


10.正式決定


帰還後。


再び、

会議室。


「天城アリア、

月白リリィ」


上層部が、

ゆっくりと告げる。


「君たちを――

正式ペアリリィとして

認定する」


空気が、

変わった。


11.二人の答え


リリィは、

一歩前に出る。


「命令には従う」


「だが――

互いを切り離す命令だけは、

受けない」


アリアも、

頷く。


「それが、

私たちの条件です」


12.承認


一瞬の沈黙。


「……受け入れよう」


その言葉は、

世界の譲歩だった。


ラスト


夜。


屋上。


星槍ルミナス・ノートが、

静かに輝く。


「……正式、ですね」


アリアが笑う。


「ああ」


リリィは、

隣に立つ。


「これからは、

逃げ場がない」


アリアは、

そっと手を伸ばす。


「一緒なら、

大丈夫です」


二人の影が、

重なり合う。


それは――

世界に認められた絆。


だが同時に、

より大きな戦争への

入り口だった。

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