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第91話 まさか成功するなんてな

 こうして、佳奈島が考案しためちゃくちゃ大雑把な作戦が立てられた。

 

 さすがに無茶だと思っていたが、まさか成功するなんてな。


 それに佳奈島が霊異者の蹴りによって吹き飛ばされた時、ナイフがあまりにも簡単に砕け散ったから怪しまれるかと思ったが、この反応を見るに気付かれていなかったらしい。


 というか、佳奈島は無事なのか?さっきのあの蹴り、側から見ていても分かるくらいにすごい強烈な蹴りだったが。


 佳奈島が飛ばされていった方を見つめる。不安だが、無事を祈るしかない。


 「イダいっ!いたい、いダイ、イダイィィィィ!」


 そんなことを考えていると、倒れている霊異者がより一層苦しみ始めた。


 暴れ狂う霊異者の額をよく見ると、ナイフの刺し傷から、どんどんヒビが広がっていっている。


 見た感じ、額に刺さったナイフが致命傷になったのだろう。ヒビは止まることなく、広がる勢いはさらに加速している。


 「イダイ、嫌ダ、嫌ダヤダッ!イダイィィィィッッッッッッ…………ァ……」

 

 霊異者の身体が一瞬硬直した。そして一際大きく揺れたかと思うと、拡散するのだった。


 それと同時に祭持さんに飛びかかっていた無数の霊異者が消えていく。


 休むことなく分身と戦っていた祭持さんだったが、分身が消えたことによって手を止めた。そして俺の方を見て口元を緩ませる。

 

 そして、最後には静寂が辺りを埋め尽くした。

 

 「倒……した?」


 すっかり静かになった道の真ん中で、俺は地面に腰を下ろす。


 最期にしては結構あっけなかった気もするが……あんな怪物を、佳奈島と俺でーーーー


 「奥崎ぃぃぃぃーーーー!」

 「がはぁ!」


 霊異者を倒し、脱力し切っていた俺に、改が涙を流しながら突っ込んできた。


 「痛い痛い痛いっ!なんで突進してくるんだよっ!」

 「だって、俺!嬉しくてっ!」

 「嬉しいからって、飛びついてくるな!」


 「でもぉぉ!お、俺と……お、奥崎、お前も生きてて……うおおぉぉぉぉん!」

 「人の話を聞けって!……って、おおい!?人の服で涙を拭うな!」


 「うえぇぇぇぇん!だずがったよぉぉぉぉ!」

 「ちょっ!?まじで!」


 強引に引き離そうとするも、改はまったく動かない。


 霊力は使ってないにしろ、全力で引き剥がしているんだが、何でこんなに力が強いんだよ!?


 霊力も使って、引き剥がしにかかるも……駄目だ、離れない。むしろ、抱きつく力は強くなる一方。


 「奥崎ぃぃぃぃ!」

 「霊力を使っているってのになんで離れないんだよぉ!?な、なあ祭持さん!こいつをなんとかして……て、あれ?いない」


 祭持さんに助けてもらおうと声をかけるも、近くに祭持さんの姿がない。


 ついさっきまではここにいたはずなのに……


 「祭持さんはどこに行ったんだ?」

 

 「奥崎ぃぃ!生きていてくれて良かったよぉぉぉぉ!」

 「……いい加減に離れろよっ!」

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