表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
46/182

Episode:46

 あたしの思いを他所に、走竜は走り続ける。単調な足音と揺れ以外は、たまに夜鳥の声が聞こえたり、何か小動物が横切ったりするくらいだ。


 みんなは無言だった。最初はロジーヌさんとバティス君の話し声が聞こえてたけど、それもいつの間にか無くなってる。それにあたし自身、闇の中ちゃんと付いていくだけで精一杯で、他の走竜に乗ってる人と喋る余裕なんてなかった。

 そうやって、どのくらい走っただろう? 先頭を行くジマリがスピードを落とす。


「どうしたの?」

「休憩入れます。走竜も走らせっぱなしじゃ、持たないので」

 言って彼は、小さな林の脇で走竜を止めた。

 あたしも続いて止めて、走竜から降りると、ジマリが手綱を引き継ぐ。


「林の中で、休ませませんと。着く前にバテます」

「うん、お願い」

 彼が走竜を林の中に隠して、ロジーヌさんも続いた。

 イマドは、乗っていた走竜の首筋を叩いただけだ。でもそれだけで、走竜が黙ってロジーヌさんの後をついていく。

 茂みの脇に隠れるようにして座ると、隣にイマドが来た。


「……すごいね。走竜、言うこと聞くんだ」

「一応な。可愛いぜ、あいつら」

 イマドの声は、ちょっと嬉しそうだ。


「そうなの?」

「ん。なんつーかな、ちゃんと表情あるし、人間の話けっこう聞いてるしな」

 弾む声に、きっとこういう動物たちが、彼の友達だったんだろうと思う。


「動物、好きなんだ」

「まぁな。あいつら人間みてぇに、しょうもねーこと考えねぇし」

 人当たりのいいイマドだけど、見てるとそれほど他人に執着しない。上手に付き合ってはいるけど、居なければ居ないで平気な顔だった。


 理由はきっと、彼が周りと「違いすぎる」からだろう。正直物事がこんなに違って見えてたら、同じように考えることなんてムリだ。

 そして代わりに、走竜なんかと話してたんじゃないかと思う。


「他にも仲のいい動物とか……居るの?」

 なんとなく訊いてみる。


「学院の周りの海とか、けっこうデルピス居るだろ? あいつら楽しいぞ。一緒に泳いだりできっし」

 デルピスというのは大型の海洋動物で、学院の周りの海でもよく見かける。でもあの生き物と、一緒に泳げるだなんて思いもしなかった。


「頭いいからな、あいつら。マジでこっちの言うこと細かく分かるぜ」

「そうなんだ……」

 あの生き物がそんなに頭がいいなんて、思いもしなかった。


「今度、紹介してやろっか?」

「え? あ、うん」

 思わず答えたものの、いまいちピンとこない。そもそも動物に紹介してもらって、どうなるんだろう?





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ