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Episode:37

「金額は、そっちの言い値でいいわ。まぁ、あんまり吹っかけないで欲しいけど」

「では――いえ、後ほど。まぁ妥当な額にさせていただきます」

 おっさんが値段を言いかけて黙ったのは、ルーフェイアの視線に気づいたからだ。


 つか、マジでシュマーの連中、コイツに全く逆らえないっぽい。今だって何も言っちゃいないのに、ルーフェイアの考えに気づいただけで、何も言えなくなっちまってる。

 ホント、こいつが権力振りかざして暴君やるタイプじゃないからなんとかなってっけど……もしそんななったら、歯止め効かねぇだろう。


 ――ルーフェイアの指揮の元、暴れまわるシュマーの連中。


 これはさすがに考えたくねぇ。

 ってか竜が集団で、街中で暴れまわるも同然だ。鎮圧するころにゃ、その街は良くて半壊、ヘタすりゃ鎮圧部隊と一緒に壊滅だろう。

 ルーフェイアの性格に感謝しながら、俺はおっさんに訊いた。


「町の人逃がすのは別として、俺らはどうなります?」

「そちらは、明日にでも。このジマリを案内に付けましょう」

 なんかかえって不安になったのは、ぜったい気のせいじゃねぇと思う。


「これでも彼は、この周辺には詳しいので」

 おっさんまでが言い訳してるし。


「ジマリ、あなた本当に大丈夫なの? 迷ってはぐれたりしないでしょうね?」

「心外だな、これでも走竜くらい乗れるぞ」

 ぜんぜん答えになってねぇし……。


「走竜が乗れたって、案内できなきゃ仕方ないでしょ?」

「だから、どうして信じてくれないんだ。ホントに出来なきゃ、任されるわけないだろう」

 やっぱ信用出来ねぇし。けどおっさんが付けるって言うんだから、それなりに能力はある……んだと思う。

 お姉さんがため息つきながら、にいちゃんに言った。


「まぁともかく、この子達しっかり守ってよ? 何かあったら、二度と口なんかきかないから」

「そ、それは……」

 いちばん堪えるのが「口きいてもらえない」とか、ため息しか出てこねぇし。


「イヤなら、死ぬ気でやってらっしゃいね」

「分かった、それでリオーネに認めてもらえるんなら、なんだってやるよ!」

 絶対なんか違う。つかこのお姉さんに認められなかったら、真剣にやる気ねぇのか?

 正直俺とルーフェイアだけで行きたい気がすっけど、さすがにこの辺の土地カンねぇから、要らないとは言えなかった。


「まぁ、ここでこうしていても、仕方ありませんので。リオーネ殿、後で上に了解を取って、金額はお知らせします。それでよろしいですか?」

「ええ、ありがとう、恩に着るわ」

 お姉さんが立ち上がった。


「こっちも、あとで脱出したい人を知らせるかも。その時はよろしくね」

 言って会釈して、ドアへ向かう。

「お茶、ごちそうさま。また来て飲んでいいかしら?」

「ええ、喜んで」

 その言葉にうなずいて、お姉さんが出てった。


「……俺らもルートだの、今のうちに詰めねぇとだな」

「うん。――カールプ?」

 ルーフェイアに問われて、おっさんが深々と頭下げる。

「では、こちらへ。すぐ資料を用意します」

 おっさんに着いて、俺らも奥へと移動した。




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