Episode:34
「それって、どの辺から動いてんです?」
「あたしも又聞きだから、正確じゃないけど。でもたしか、ここから3駅目のターミナルまでは、北から列車来てるって聞いたわよ」
思ってたよりか近い。走竜なら1日、余裕見ても2日ありゃ行ける。それに最初から行き先分かってりゃ、何かと対処も楽だ。
「カールプ、そこまで走竜……出せる?」
おっさん――カールプって名前だったらしい――がうなずいた。
「問題ございません、お嬢様。用意いたしますか?」
「お願い」
あっさり頼んだルーフェイアに、思わず横槍入れる。
「待てって。その駅まで行くのはいいとして、そのあとどーすんだよ」
「え? だって、アヴァンシティまで行って、海渡って学院戻れば……」
当初の目的、やっぱコイツ忘れてるし。
「そんなら俺、ルアノン行きてぇんだけど。途中だし」
「あ……ごめん」
思い出したらしい。
「そしたらカールプ、走竜と……ルアノンまでの切符、お願い」
ルーフェイアのヤツ、思い出したのはいいけど、今度は無理難題言うし。
「お嬢様、切符は無理でございます」
「え……ダメなの?」
不思議そうなコイツに、俺は説明した。
「お前さ、走竜でいつ駅に着くか、時間分かんのか?」
「あ、そっか……」
ホント、バトル以外になるとルーフェイアは抜けまくりだ。
「いろいろあったようでございますから、お嬢様、今晩のところはこちらで休まれて、明日の夜出発なさっては?」
「……うん、ありがと」
どうやら話がまとまって、今夜はのんびり出来るらしい。
その俺らへ、なんか考え込んでたお姉さんが訊いた。
「ねぇ、走竜っていつでも使えるの?」
「えっと……カールプ?」
困ったルーフェイアのヤツが、おっさんに話を振る。
「使うのは、基本いつでも使えますな。そうでないと、役に立ちませんし」
「じゃぁね、部外者乗せてもらうってダメ?」
みんなの視線が、お姉さんに集まった。
つかさっき「ここから逃げない」ってたのに、いきなり心変わりとか、節操なさすぎだ。
「あ、待って待って。別にあたしじゃないの」
お姉さんが慌てて両手を降った。誤解されたのに気づいたんだろう。
「えーとね、カールプさんとかジマリは知ってるだろうけど、町の東側ってひどいでしょ? だから子供のいる人だけでも、脱出させてもらえないかなって……」
珍しくちょっと下向いて、言いづらそうにしてる。




