Episode:21
見かけは、かなり派手だ。
胸元が大きく開いたワンピースに、濃い化粧とじゃらじゃらしたネックレス。ウエーブかかった長い髪にゃ、かなりゴタゴタした髪飾り。
どっからどう見ても、「オトコ誘惑します」系だ。つか胸あって谷間とか丸見えなくせに、腰だけ細かったりしてヤバい。
「あいつらも、ほーんと分別ないのよね。こんな素人娘、手出しちゃダメなのに」
ルーフェイアのほうは頭撫でられて、嬉しそうだ。たぶんあともうちょっと撫でられてれば、絶対子猫みたいに懐く。
ただ言われてる内容は、思いっきり分かってねぇだろう。
「軍の連中、いつもあんななんですか?」
気になってたこと、思い切って訊いてみる。こういう話、口つぐんじまう人も多いけど、この人は大丈夫そうだ。
思ったとおり、お姉さんが肩をすくめて言った。
「そうねー、東側じゃ初めてかな? でも町の西側じゃ、いつだってあんな感じよ」
いまいちピンとこないでたら、この人が説明始めた。
「この町、真ん中に小さい川があるの知ってる?」
「いえ、ぜんぜん」
乗り換えるだけだから、知るわきゃねぇし。
「そっか、知らないか。まぁしょうがないわね」
あんまり気にしたふうもなく、お姉さんが続ける。
「ともかくこの町、東西に分かれててね。で、港のある東側にいろいろ駅とか集まってて、西側は居住区なのよねー」
それが軍とどう繋がんのか謎だけど、ともかく町の構成はだいたい分かった。
「でね、あいつらがいつも居る西って、凄いのよ。何しろここ占領地じゃない? だから軍の連中ときたら、やりたい放題でメチャクチャなのよね」
「あー、なんか分かりました」
占領されたとこの人ってのは基本、逆らいようが無い。訴えたって取り合ってもらえねぇし、なんかやったら殺されるだけだ。だからそこに駐留してる占領軍は、元から住んでる人に対してやりたい放題になる。
んで今回はそいつらが、テロで手が足りなくて引っ張ってこられたんだろう。けど頭の中身はそのままで、つい西側でやってたことをしようとした、って話だ。
――少しは考えろよ。
占領軍が礼儀正しいなんてのは、どっかの異次元の幻想だけど、それにしたってアホだろう。あんだけの港と駅のある場所でヘタやったら、自分の首が飛ぶのも分かってないらしい。
まぁホント言うなら、居住地で暴れるんじゃねぇって話だけど。つか言いがかりつけて女子誘拐とか、さすがにヒドすぎる。
「けどそれだと、この町ってかなりヤバいことになってません?」
「そうよ」
俺の疑問に、あっさりした答えが返ってきた。




