Episode:19
「まぁともかく、気をつけたほうがいい。なんなら駅まで、誰かに送らせようか?」
「だいじょぶです。何かあったら、戻ってきますよ」
テキトーなこと言って、船長に頭下げてから歩き出す。
「なんか……すごいみたいだね」
「だな。時期ヤバかったかもな」
こういうのは予測つかねぇもんだけど、それにしたってタイミング悪すぎだ。最悪、ここで立ち往生の可能性もある。
「ここに駐在してる、シュマーの誰かに、連絡しとく?」
「とりあえず駅見て、ダメそうなら頼むわ。正攻法じゃ抜けらんねぇかもだし」
非常事態となったら、並みの人間じゃもう手も足も出ねぇ。けどシュマーならそういうのが当たり前だから、どうにか出来るはずだ。
ここの港から駅も、ケンディクと同じでそんな遠くない。けどその間だけでも、かなりの数の兵士だった。
「お前たち、どこへ行く」
途中で呼び止められる。
「あの、駅へ……」
「駅? 駅なら今は閉鎖中だ。知らんのか」
旅行客が知るわけねぇし。いや、俺らたまたま知ってたけど。
「さっき、船で着いたんです。列車乗り換えて北に行く予定なんですけど」
「ムリだな」
俺らに答えてくれてる兵士、なんか殺気立ってる。マジでヤバそうだ。
(ルーフェイア、戻るぞ)
(……うん)
さすがにこんなとこで、正規軍相手に騒ぎ起こしたくねぇし。
他の通行人にまぎれて、港に戻ろうとして――ヘンな魔力感じる。
「ルーフェイアっ、伏せろっ!」
言いながら、こいつのことを押し倒す。
「――エレメンタル・ブレスっ!」
一瞬で状況読み取ったんだろう、ルーフェイアが腕ン中で冷静に魔法唱えた。
同時に、ものすごい爆発音。テロだ。
少し待って起き上がる。さっき兵士と話してた辺りに、何かよくわかんないモノと血だまりがあった。
「離れないと」
ルーフェイアの冷静な声で、我に返る。さすがに動転してたらしい。
テロは、二度目の爆発が怖い。様子見や救護で人が集まったところを、さらにデカい爆発で根こそぎやられることがある。
薄情って言われようが何だろうが、離れるに越したことはなかった。
「港戻ろう」
「うん」
2人で駆け出す。けど、これがまずかった。




