Episode:18
◇Imad
青い水面の向こう、町が近づいてくる。俺らの乗った船は一昼夜かけて、やっと目的地に着いたとこだ。
「何も無くて……よかったね」
「だな」
厳密に言や、何も無いってこたねぇんだろうけど。けど魔方陣1つ潰しただけで済んだから、かなりいいほうだろう。
船長とかが言うにゃ、他所じゃけっこう凄かったらしい。町じゃ何ヶ所か爆発あったとかで、正直吹っ飛ばなかっただけラッキーだ。
桟橋へ投げた綱が結わかれて、船が止まる。
「降りなきゃな」
「うん」
荷物は甲板へ持ってきてあるから、あとは降りるだけだ。ただ人でごった返してるから、すぐに行く気にゃならなかった。
そのままのんびり、人の波が引くまで待つ。
「おやキミたち、ここに居たのか」
「あ、船長さん」
船が停泊して一段落したんだろう、船長が声かけてきた。
「いろいろ本当に、助かったよ。ありがとう」
お礼言ったあと周りを見回して、急に小声になる。
「やっぱり、町は酷いらしい。外出禁止令が出てるようだし、列車も運行停止じゃないか、って噂だ」
「え……」
それだけはマジ困りもんだ。
「全く、動いてないんですか?」
ルーフェイアに心配そうに訊かれて、船長がちょっと困り顔になる。
「私も見に行ったわけじゃないから、なんともその辺は……。ただ、ともかく警備は厳しいらしい。この船も、これから検査だそうだ」
かなり厳重だ。だったら町で何ヶ所か爆発ってのもホントで、しかも相当の規模ってやつだろう。
「正直、このままユリアスへ戻ったほうが、いいんじゃないかと思う」
船長の言うことは一理ある。けどここまで来てんのに、何にも確かめないで帰るってのも癪すぎだ。
そのこと船長に言うと、腕組みして考え込んだ。
「確かに、気持ちは分かるんだが……」
「行ってダメそうなら、そんとき考えます。ただ、駅にも行かないで帰るってのは」
実は動いてました、なんてったら、それこそ笑い話だ。
「それにほら、俺らシエラなんで、大抵のことは平気ですし」
「ああそうか、そうだった」
船長がうなずく。




