表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
172/182

Episode:172

「ホントそれ考えっと、マジで終わりにしたくなるわ」

「イマド……」

 さっきあたしにああ言っておいて、自分はこんなこと言うのだから凄い。

 でも、そういうものなのかもしれない。生きていけば行くほどみんな誰かの事を思って、なのに自分勝手だ。


 どうしようもない矛盾。自分が磨り減っていく気がする。

 それでも将来の夢とかそういうのがあれば、耐えられるのかもしれないけど……そんなものがないあたしたちには、辛い。


 それにもし夢をみてても、ある日どこかで事実に気づいてしまって、動けなくなってしまいそうだ。

 正直、何のために生きて何のために大人になるのか、全く分からない。


「あー、居た居た」

 覇気なんてどこかへ置いてきたあたしたちに、遠くから声がかかった。ヘイゼルお姉さんだ。


「すぐって言う割りに遠くへ行くから、どこまで行ったのかと思った」

 着いたばかりなのにお姉さん、ずいぶん元気そうだった。イマドの言うとおり、アヴァンで観光できて嬉しいのかもしれない。

 そのお姉さんが、あたしたちを見て表情を変える。


「だいじょぶかい、あんたたち」

「心配ねーよ」

 イマドがいつものように軽く答えた。


「それよりさ、ルアノンどうなった? ここに居るとよくわかんねーんだよな」

 うまい事話を違う方向へ持っていく。

「ルアノンなら、何とか平穏だよ。っても、男連中しかまだ家に戻ってないけどね」

 町は今も無事らしい。朗報だ。


「ほら、最初の砲撃ん時に、あんたたちが出てくれたろ? その被害が予想遥かに超えてたらしくて、進撃に二の足踏んでね」

 話を聞きながら、向こうの兵隊さんも可哀想だなと思った。どんな被害が待っていても、命令があったら行かなきゃならない。


「まぁ向こうさんだってバカじゃないから、国境付近の基地襲った部隊と合流はしたんだけどね」

「それで平穏って、どーゆーことだよ?」

 イマドが不思議そうに訊く。

 でもあたしも同感だ。部隊が増強されてるのに狙われてる場所が平穏って、もう何が何だか分からない。

 あたしたちの様子が面白かったのか、お姉さんが笑った。


「アヴァンの部隊が、ギリギリ間に合ったんだ」

「あ、それで……」

 頭の中で答えが繋がる。




◇あとがき◇

新作を読んでくださって、ありがとうございます♪ 

【夜8時過ぎ】の更新です、たぶん。でもかなり大雑把にしか決めてません。頑張らないと(汗)

感想・評価歓迎です。お気軽にどうぞ

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ