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Episode:15

「えっと……キミたち?」

 話について来られなかったんだろう、船長さんが不思議そうな顔になる。

 イマドが考えながら言った。


「えーっと、俺らシエラだって、たしか言いましたよね?」

「あぁ、言ってたね。魔方陣を見つけた上に無力化してくれて、助かったよ」

 船長さん、ちゃんと覚えてて凄い。


「だから迷惑じゃなかったら、俺ら船内の見回りしようと思うんですけど、ダメですかね?」

「見回り――え、いいのかい?!」

 頭の中で船長さん、話が繋がったらしい。


「迷惑じゃなきゃ、やりますよ。まぁ俺らも見習いなんで、完璧じゃないですけど……あと、誰か案内付いてもらわないと」

「いや、迷惑なんてとんでもないよ。私たちじゃ全く見当もつかないし、上手く見つけても手が出せないからね。シエラのキミたちがやってくれるなら、ありがたい限りだ」


 2人の話を聞きながら、イマドはさすがだな、と思った。シエラの名前を出してなかったら、こんなふうに簡単に信じてくれないだろう。

 この辺の効果を最初から計算して言うんだから、本当に彼は頭が回る。


「案内なら、私が行こう。事が事だし、ブリッジは副長に任せてきてあるしね。どこから回るかい?」

 訊かれて、イマドが少し間を置いて答えた。


「この回はもう調べたんで、他ですね。でも俺ら、船内の構造とか分かんないんで」

「分かった、じゃぁすぐ下の階から行こう」

 船長さんが、先に立って歩き始める。


(この階……いつ、調べたの?)

 不思議に思って訊くと、彼が苦笑した。

(調べてねーよ。けどほら、廊下歩きゃ俺、分かっから)


 答えを聞いて、羨ましくなる。

 あたしなんかが魔方陣を探そうと思ったら、文字通りしらみつぶしだ。各部屋の絨毯まで剥がすくらいじゃないと、確認したなんて言えない。

 それが歩き回るだけで分かるんだから、ものすごい効率のよさだ。


 そんなことを考えてるうちに、下の階へ着く。

「そうだ、鍵を取ってくるから、ここで待っててくれないか?」

「あ、それあとでいいです」


 言われて、また船長さんが怪訝な表情になった。きっと、話が良く分からないんだろう。

 イマドがちょっと悩んでるふうに、答える。


「なんてかな……俺ちょっと血筋で、特殊な魔法使えるんですよ。だから魔方陣の有り無し、近く通れば分かるんです」

「そんなものがあるのか、すごいな」

 そんなものは無いのだけど、この分野は素人の船長さん、あっさり信じ込んでる。





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