Episode:14
ただ、この人たちは素人だ。警戒がどのくらい出来るかは、ちょっと疑問だった。
「あの、船内は……もう、調べたんですか?」
差し出がましいと思いながら、言ってみる。こんなのあたしが言うことじゃないんだろうけど、万が一魔方陣の見落としなんかがあって、沈没するのはちょっとイヤだ。
「調べる? 調べるって、どこをだい?」
案の定、要領を得ない答えが返ってくる。これは口を出して、正解だったかもしれない。
「えっと、その、魔方陣……ほかにあるかも、しれないので……」
この言葉を聞いた瞬間、船員さんたちの顔がさらに青ざめた。
「た、大変だ、推進器やられたら終わりだ!」
「その前に、穴でも開いたら――!」
大騒ぎになる。
「船長、調べに行ってきます!」
「あ、ちと待ってください」
イマドが駆け出した人たちを、引き止める。
「すまんがキミ、時間がないんだ」
「分かってます。でもほら、探し方とか」
船員さんたちが動きを止めた。
「たしかにそうだ……どこを探せばいいんだ?」
イマドはちょっと苦笑してるけど、仕方ないと思う。爆破用の魔法陣の探し方なんて、ふつうは教わらない。
「えーと、ベッドの下にあるやつがそれなんで、覚えてってください。んで探すのは、仕掛けられたらヤバい場所から、順に。ただけっこう大きいんで、隠すにしても場所は限られます」
真剣な顔でイマドの言葉を聞く船員さんたちが、ちょっと面白い。子供の言うことを大人が聞くなんて、世の中まずないだろう。
「魔力炉の周辺は、特に念入りにお願いします。分かりづらいんで」
「わ、分かった」
やり取りを聞きながら、あれ、と思う。
今イマドは、「魔力炉の周辺は分かりづらいから」と言ったけど、これはおかしな言い方だ。
正直あたしなんかからすると、魔方陣を見つける難易度は、魔力炉の傍でも変わらない。単にどれだけ巧妙に隠したか、で決まってくる。
でもイマドの言い方は、魔力炉で影響を受けるようにしか取れなかった。
「炉の傍だと……何が?」
「あー、俺も船内見ようかと思って。沈みたくねーし」
早い話がイマドも、捜索に加わるつもりなんだろう。でも確かにこの方が合理的だし、ずっと早い。
「悪りぃけど、お前も付き合えよな」
「うん」
防御魔法を簡単にかけられるのは、多分この船じゃあたしだけだ。だからイマドが行くなら、あたしも必ず行かなきゃならない。




