第15話 ややこしい小遣い稼ぎ
セワードは骨を買い取ってくれたので、ちょっとした小遣い稼ぎにはなった――いくつか左ではなく右の大腿骨も混じっており、それは突き返された。
続いてザムの手配書を売るために賞金稼ぎギルドへ向かうと、そこは迷宮公社に酒場を挟んで隣接しており、店内は迷宮守りや賞金稼ぎたちのたまり場になっていた。石造りの床に直接腰掛けたり寝そべったりして、誰もがぼんやりとしながらたまに酒や赤ドロを飲んだり、果物やパンなどを齧ったりしている。
賞金稼ぎの代表者であるドヴェルは、さすがにしっかりとした態度だった。ごくりっぱな髭を生やした男性で、北部の伝統に従い編み込んでおり、グンルはそれに感服し素直に褒めた。そのためか、手配書の買い取りにいささか色をつけてくれた――彼としては、迷宮産の手配書は久々だったからと付け加えた。
迷宮守りと賞金稼ぎは大した違いはなく、両方を兼任している者も多い。強いて言うなら、魔物ではなく人族との戦闘に抵抗のない性格かどうかだ。
オレンジを手にして皮を剥くでもなくただ見つめている、ベンシックの賞金稼ぎがいた。彼はグンルたちを一瞥すると声をかけ、
「なあ、あんたら、今暇か?」
まずまず暇だが何か用か、とグンルは返す。
「ある賞金首の情報を、ここから二十分くらいのところにいる人が知ってるんだ。近いうちに聞きに行く約束だったが、どうも気が進まん」
なぜ気が進まないのか。
「だって二十分だぜ、十五分なら話は別だが……しかも急な坂を上らなくちゃいけねぇ。それがどうかって話さ。その賞金首ってのも、大した額じゃあないこそ泥だしな。しかもだ、確実にその人が、情報を握ってるかどうかも確かじゃないときてる」
その坂の上に住んでいるという人物と、直接コンタクトを取ったのではなかった。近所の酒屋の店員が、配達の際に顧客とした世間話で、小耳に挟んだだけだった。このベンシックの賞金稼ぎ〈ハーフドライ〉は詳しい話をその顧客に直接聞きたいという約束は取り付けたが、いざ二十分の道を移動する気力が急激に損なわれてオレンジを食べることすらままならないという。
「そういうわけなんで、俺の代わりにちょいとした小遣い稼ぎをしてみるか? 俺としちゃ見返りは要らねぇ、ただすっぽかすのもどうかと思っているだけさ。どうだい」
グンルがレームの顔を見ると、彼女は頷いた。まだ日暮れまでは時間がある。きっと暗くなる前には終わるだろう。




