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アリスは中学生~ダメ兵士のやり直し中学生ライフ~  作者: セフィ
アリスは中学3年生
26/28

3年生2学期 アリス・ガーデンスと炎のプリンス①

「あれ、2学期になったらみんな部活とかやらないんですね」


 2学期が始まってだいぶ経った頃に、アリスは同じクラスの萌に尋ねた。


「もっと部活をやりたいけど、夏が終わったらみんな引退しなきゃいけないの。

 アリスが通ってた、異世界の学校がどうだったか分からないけど」


「卒業前に『オメガピース』に入れられたから分からないです。

 でも、なんかそろそろ試験だから、と言ってる先輩はいました」


「そっ!

 その、そろそろ試験だからってこと。

 定期テストだったら1週間前から部活休みになるでしょ?

 それが受験だと、半年ぐらい前に変わるの」



 アリスと萌が話している間にも、3年1組の教室から次々と生徒が帰っていく。

 少なくとも、体育着やチームウェアに着替えている生徒は一人もいない。



「じゃあ、私、これから『オメガピース』に戻るまでの時間、すっごく暇になりますね」


「早く戻って、異世界で生活する時間を長くした方がいいんじゃない?」


「それはそうですけど……」



 萌の言ったことは、限りなく正論である。

 ほとんどの生徒が部活を引退したこの時期に、学校にいる意味などどこにもない。



「で……、でも……、この2年で、アフタースクールも大好きになりました!

 いろんな部活にお忍びして……」


 ここまで言い忘れていたが、アリスはあくまでもお忍びで部活動を楽しんでいただけである。

 正式な加入手続きはしていない。


「……だから、その部活がなくなるの、本当に悲しいんです。

 私は、たぶん高校に行くことはないはずなので……」


「受験がないんじゃ、アリスは暇だよね。

 あっ、そうだ!」


 萌は、窓から体を乗り出して、校庭に見えるプレハブ小屋を指差した。



「ロボ部は、まだ活動してるかな。

 何と言っても、学校の平和を守る部活だから、そう簡単に引退させてもらえなかったって。

 神門(みかど)くん、勉強できないのに受験勉強の時間が取れないから、マジウケる」


「ロボ部……。

 私が避けてきたところです。

 ロボットの操縦なんて、ドジっ娘の私にはできないですから。

 ゲーム感覚だったらやりたいですけどねっ!」


 急に表情を変えるな。


「ゲーム感覚でできるんだったら、今からロボ部に行くのもありなんじゃない?

 まぁ、アリスが神門くんに反応するアルターソウルを持ってなかったら、ロボ部員にはなれないけど」


「2組の、バーニングカイザーの人に反応する人ですか……。

 大丈夫です! 任せてください!」


「何が大丈夫なの?

 あそこのスポットから出てきたロボ、全部炎に関係しているけど」


「いいんですっ!」



 アリスは萌から目を反らし、眼下に見えるロボ部のプレハブ小屋をじっと見つめた。



「私は、誰からも声を掛けてもらえなかった、イケメンスナイパー(アッシュ)様を振り向かせた!

 今はライフルマスターと、『オメガピース』でルンルン!

 あの生徒だって、きっと反応するはず!

 ありがとうございます!」


 アリスは、すぐに体の向きを変えて教室を飛び出していった。


「その反応するじゃないから」



~~~~~~~~



「ピンポーン!」


 ドアチャイムのないプレハブ小屋の前に、アリスの声が響く。

 中から出てきたのは、(きら)ではなく、背の高い隼徒(はやと)だった。



「あ、誰かと思ったら!

 学年で一番天然なおバカキャラのアリス!

 まさか、俺様に一目ぼれかぁ?」


「えっと……」


 徐々に顔を近づけてきた隼徒に、アリスは一歩足を引いて言葉を溜める。

 顔と表情、体つき。

 その全てを見たところで、アリスの口が再び動いた。



「ライフルマスターよりはイケメンじゃないです。

 ごめんなさい!」


「ガ――――――ン!

 ガ……、ガチでそれ言ってるの?」


 隼徒がバランスを崩し、プレハブ小屋の入口に倒れ込んだ。

 その音で、煌が椅子から立ち上がる。


「隼徒、大丈夫かよ!」


 すぐさま隼徒の手を掴んだ煌と、アリスは目が合った。



「なんか……、バーニングカイザーの人……、王子様のように見える……」

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