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アリスは中学生~ダメ兵士のやり直し中学生ライフ~  作者: セフィ
アリスは中学3年生
24/28

3年生1学期 罰ゲームつき修学旅行③

 修学旅行2日目。

 班別行動が始まった。


 アリスの所属する班が、京都駅に向かう。

 目の前には、萌が班のメンバーにスマホを見せながら歩いていた。


白木(しろき)の班、羨ましい。

 アニメ漬けの1日にするとか言ってた。

 アリスも、そっちに行けば太らずに済んだかも知れないね」


 班長の男子・直人がアリスに告げる。


「日本のアニメを見続けられるんだったら、私、そっちに行きたいです。

 でも、萌ちゃんのことだから、ほとんど動かないと思います」


「それを言い出したら、アリス。

 八つ橋の予約をしたところばかり行くんだから、買ってる間とか食べてる間とか、アリス以外は全く動かないんだよね」


「あ……」


 実はアリス、いっぺんに10個持ってしまうと見つかってしまうのを恐れ、清水寺の近くにある店、銀閣寺道にある店、というように何ヵ所かに分けて八つ橋を予約したのである。

 それも、ほぼ予約分しか作っていない名店の八つ橋だ。

 したがって、ルートも「ベタなルートですが」とアリスが断った上で決めていたのだった。



~~~~~~~~



 清水坂を上がってるところで、アリスが止まる。


「アリス?

 清水寺行かないの?」


「買うのが先ですよ~!

 店を見ちゃったから、もうできてますか~って声を掛けるんです」


「アリス。

 予約、何時だっけ?」


 アリスは、同じ班の佳南(かなん)に言われたところで、ポケットに入っているメモを見る。

 清水坂の店は、10時に行くと書いてあった。


「10時です。

 でも、店を見たから入りたいです」


「勝手な行動すると、夕方までにホテルに戻れなくなるよ」


「清水寺の上から食べたいんです!」


 アリスは、そう言い終わるが早いか、店に入ってしまう。


「私が注文した分、できてますかー?」



~~~~~~~~



 数十分後のアリス。

 清水の舞台で、観光客に混じって四角い八つ橋を食べていた。


「あー、八つ橋おいしい!

 こんなつぶあんたっぷりの八つ橋、初めて食べます」


「調べたら、結構有名な店だものね」


 ちなみに、元祖西尾為〇商店という設定である。


 そこに、佳南が近づいた。


「アリス。

 みんなのぶんは?」


「あ……。

 考えてませんでした」


 10個全部独り占めするつもりだった、というような返事をして、これまで何度トライブに怒られたのか。


「アリス。

 今回、俺たち、アリスを無事に学校に返したいんだ。

 痩せないと、京都に居残りだろ?」


「あっ……。

 そうでしたね。

 うわあああああ、完全に忘れてたあああああ」


 アリスは柵の上にバッグを置いて、八つ橋を班のメンバーに差し出す。

 そこに、風が吹いた。


「あれ?」


 アリスが振り向いた瞬間、バッグが清水の舞台から森に投げ出された。

 柵から体を乗り出し、両手を震わせる。


「バッグかえしてえええええええ!」


 アリスがどれだけ泣こうが、どれだけ叫ぼうが、緑のクッションに落ちたバッグは、やがて消えていった。


「あ、直人くん。

 2組にいるバーニングカイザーの生徒、呼んでください。

 ロボットじゃないと取れないです!」


「煌?

 なんか、修学旅行棄権したって。

 京都で降りるつもりが、寝過ごして東京に戻ったとか、さっきLINEで来てた」


「あ……。

 これ、本当に清水寺の人に取ってきてもらわなきゃいけなそうですね」


 そもそも、バーニングカイザーがあの場所に降りた時点で、山林から寺の境内まで一気に火が回るのだが。


「スタッフさん。

 ここからバッグを落としました」



~~~~~~~~



「さて、アリス。

 最後の体重測定の時間です」


 修学旅行3日目、最終日。

 京都駅に向かうバスに乗り込もうとした3年1組の列の中に、担任・中原が体重計を置いた。


「あ。

 もう、こんな時間なんですね」



 アリスは2日目、予定通り八つ橋10個を食べただけでなく、うどんも一人大盛りを3つ頼んでいた。

 部屋に戻っても、コンビニでこっそり買っていたお菓子たち。

 当然、基準の体重87.2kgより痩せているはずがなく……。



「92.4kg!」


「あっ、終わった……」



 アリスは、体重計の上で呆然と立ち尽くした。

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