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アリスは中学生~ダメ兵士のやり直し中学生ライフ~  作者: セフィ
アリスは中学2年生
16/28

2年生2学期 剣の女王、学校に降臨!①

「あっ、聖名(せいな)さまが廊下を通ってる!」


「さすが、2年女子のリーダーでアイコン!」


 2学期に入った、ある日の放課後。

 2年生の廊下に静かな足音が響く。

 ひときわ大きな音で歩く聖名の足音は、2組の教室をもざわつかせた。


「聖名さんって、そんな偉いんですか?」


 クラスじゅうの目が廊下に向く中、アリスが首をキョロキョロさせる。


「聖名さんって、そんな偉いんですか?」


「え……?

 マジで言ってるの?」


 同じクラスの萌が、アリスの席に急ぐ。


「知らないです。

 そんな、聖名さんって生徒」


「もう2年の2学期なのに、女子カースト最上位の名前を知らないなんて。

 絶対怒られるから!

 アリスは、聖名のこと何も知らないって」



 足音が止まった。

 萌の顔が、廊下に振り向く。



「いま、私のことを知らないって声が聞こえました。

 おそらく声を察するに、そこにいる異世界人、アリス。

 あなたのようね……」


「ギクッ!」



 わざわざ自分から言いましたと告げてしまう、残念な生徒である。



「こっち来なさい」


「うわ~ん、呼び出しだ……」


 アリスが肩を落としながら、廊下で腕を組む聖名の前に立つ。

 廊下を歩く生徒も、アリスをやや細い目で見つめていた。


「あなたは、東領家中学校2年生最大のバカと言われている。

 そんなあなたが、何もかもパーフェクトの私に、口答えしていいと思ってるの」


「よくないです。

 『オメガピース』でも、階級が上の兵士には敬語を使うようにって言われました。

 あっ……、でも、聖名さんは2年生だから、先輩でも階級が上でもなくて、同じ生徒だ……。

 なぁ~んだ!」



「アリス……」


 萌をはじめ、複数の生徒から聞こえる悲鳴。

 廊下にいる生徒は、一斉に階段のほうへ逃げ出した。



「いい? 私は、言ってしまえば2年生の女王。

 学年、いや、学校からそのように見られている。

 あなたは本業、ただのバカ兵士。そのへん、わきまえてちょうだい。

 それとも……、あなたにだって強みがあるの?」


 アリスは、すぐに首を横に振る。


「私は、強い兵士たちと一緒に戦ってるんです。

 大先輩で同じ部屋の女剣士、トライブ・ソードマスター、めちゃくちゃ強いです。

 クイーン・オブ・ソードって言われます」


「なるほどね」


 一瞬、聖名が組んでいた腕をほどく。

 膝を曲げ、明らかに身長の低いアリスに顔を近づける。



「私と別の女王が、あっちの世界にいるわけ。

 なんか、興味が出てきた。

 異世界の剣士と、北欧神話の剣士が戦ったらどうなるか」


「北欧神話の剣士……?

 もしかして、最近何かと話題の北欧神話部ですか?

 この前も、文化祭でバトルをやった……」


「その北欧神話部。

 私が部長だし、バルキリーの肩書を背負って様々な魂を呼ぶことができるの。

 剣術が得意な神様を呼び出すこともできる」


「名前を聞いただけで強そうです。

 なんか、ソードマスターが戦いたいって言いそうですね」



 事実、トライブがそういう性格のため、アリスは聖名の挑発に動じない。



「そうなの。

 もし、あなたがドライブだかトライブだか呼べるんだったら、放課後私の前に連れ出しなさい。

 北欧神話部自慢の剣士は一旦巨大化するけど、人間サイズの剣士で戦わせてあげるから。

 レベルは甘く見ないでちょうだい」


「あっ……、まずい……。

 ガチバトルになっちゃう……」


 ここでようやくアリスが後ずさりするも、もう手遅れである。



「あなたがその力を語る、クイーン・オブ・ソードとやら……。

 私の召喚する剣士と戦って、アリスの口から女王という言葉を口にできないようにしてみせるから。

 私に絡んだがために、異世界の女王が、真の女王の足元にも及ばないって分かってしまうのね」



 聖名は薄笑いを浮かべて、階段の方に消えていった。

 アリスがひとり、「どうしよう」と言いながら、その場に取り残された。

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