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アリスは中学生~ダメ兵士のやり直し中学生ライフ~  作者: セフィ
アリスは中学1年生
11/28

1年生3月 アリスを守る者

「さて、『オメガピース』から来たアリスも、今日で1年生が終了となるわけですが……」


 修了式の朝、アリスはホームルームが終わり次第廊下に呼び出された。

 嫌な予感しかしない。


「もう一度1年生をやるんだったら、私全然かまわないですよー」


 アリスは、にっこりと笑いながら担任に告げる。

 先生は即、首を横に振った。



「2年生に上がれるほどの学力ではないということが、5回の定期テストの結果分かりました。

 そこで、この後……」


「あ……、はい……」



 え――――っ!



「いや……、いや……!

 そんな形で留年なんて嫌です!

 さっきの、もう一度1年生をやりたいって話、取り消してください!」


「アリス。

 あなたは、組織で生きている大人じゃないですか。

 上からの命令に従うのが、大人ってものです」


「たしかに……」



 『オメガピース』でも、トライブやアッシュからの命令は絶対である。

 一応、だが。



「でも……、私の上司はソードマスターです。

 担任の先生じゃありません!

 だから、私は勉強ができないから留年、なんてことを言う先生には従いませーん!」



「ぬぁにぃ~!」



 担任が、アリスの襟首を掴む。


「いじめですよ、先生。

 私の後ろには、『オメガピース』という強い戦士ばっかりの組織がいますから」



 当然、こんな生意気なアリスに力を貸すような組織ではない。



「モンスターペアレントかどうか知らんが……!

 アリスは、勉強ができてないって言ってるんです!

 やり直しで入ってきた中学なんて、義務教育じゃないですから」


「中学校を義務教育と言わない先生がいまーす!」


「もういい!」


 担任がアリスを突き飛ばした。

 反対側の柱に叩きつけられそうになった時、アリスの後ろに手が伸びた。


「どうしたんだ?

 落ち着いて言ってごらん」


「え……」


 オレンジ色の髪が、アリスの肩に触れる。

 声のする方に、アリスは目を向けた。


 1年3組の神門(みかど)(きら)だった。



「えっと……。

 あなたは、たしか……、バーニングカイザーに変身できる人……」


「そう。

 先生が突き飛ばすなんて、俺は許せない!」


「あっ! そうなんですか!

 もしかして、正義のヒーローって言いながら、悪いコの味方をしてくれるんですね」



 煌は、アリスの前に立ち、両手を広げた。



「先生。

 いくら口が悪い生徒だからって、突き飛ばすのは問題あると思います!」


「どうして神門がしゃしゃり出てくるんですか。

 私は単に、アリスが成績不良でどうしようもない生徒だから怒りました。

 それに、そのことを言ったら生意気な言葉を返してきたんです。

 人間として、怒りたいですよ」


「投げ飛ばしていい生徒なんていません」



 うわぁ……。

 すごくカッコいい……。


 アリスが、煌の背中から顔を覗かせる。

 そして応援のように手を叩き出した。


「ファイト! キラくん!

 ファイト! キラくん!

 わあああああああ!」



 誰が怒られていると思っているのだろうか。



「やめろって。

 アリスだって、少しは反省したほうがいいよ。

 突き飛ばすようなことをしたの、アリスなんだからさ」


「すいません……」


 アリスは、煌を見上げてため息をついた。

 それを見て、担任の先生がアリスの手を引っ張った。


「アリスに、一つだけ言っていいですか。

 話は最後まで聞きなさい」


「はい……?」


 アリスは担任の前で固まった。



「私は、留年なんて言葉、一言も言ってないですからね。

 3月いっぱいまで、補習授業を受けてもらいます。

 つまり、テストでできなかった問題の解き直しですね」


「あ……、はい……」


 担任は、今度は突き飛ばさなかった。

 アリスはとんでもない勘違いを担任にしたまま、1年生を終えようとしていたのだった。

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