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唯一無二の友

総合評価が100を超えていました!(多分)

嬉しい限りです。これからもお付き合いのほどよろしくお願いいたします。

「話を戻すと心身の疲労から食欲不振になったってことで合ってるかな?」

「端的に言えば」


 そう言うとメアは黙して考え込んでしまう。


「僕もリーの置かれている環境は常軌を逸すると思っていたんだ。何かしたいとも思っていた」

「その気持ちだけでも嬉しい」

「ううん。リーが我慢しなければいけない状況は駄目。だから解決策を考えていたんだけど、こんなのはどうかな?」

「何だ?」

「君の妹を変則的ではあるけれど、この学校に編入してもらおうかなって」


 ディアの変則的な入学、その案は彼にしかできないことだった。


「彼女も黒髪持ちだ。君の漆黒の髪と同じ。でも彼女は巫女であり、光属性だよね」

「黒髪のイメージアップを図るのか?」

「そういうこと。それに彼女は君の浄化もできるから、さっきみたいなことの繰り返しも防げる。加えて君を慕うものが一人増えるでしょう。気持ちも楽になる」


 しかしながら、俺はそう易々と頷けない。ディアの今後も関わるからだ。


「俺はディアに学校の闇を見せたくない」

「もう十分見ていると思うよ。リーのさっきまでの姿を見たら誰だって想像できる。だからとは言わないけれど。それに彼女だって君の役には立ちたいはずだよ」

「……ディア次第だ。俺はあいつに強制などしない」

「そっか、そうだよね。うん、やっぱりリーはリーだよ。君は君であってそれ以外の何者でもないよ。君は優しくて、周りを思いやれる上に慮って動くことができる。何度も言うし、君が望むなら何度だっていう。だから内々に溜めないでね。エーファに言えないなら僕に話して。そう約束して」


 憂いを秘めた声。こちらの心にも響いてくる。

 そんな声でお願いされてしまったら断れない。ただでさえ、今回散々迷惑をかけたのだからそこまでしてもらう権利はないのかもしれない。でも俺は拒否できなかった。


「ああ、約束する。もうお前に迷惑はかけない」

「いいんだよ、僕には。たくさん迷惑をかけえて。というかそんなことは微塵も迷惑じゃないから。それは……」

「何だ?」

「……それは友人として当たり前のことだよ」


 ああ、俺はとてもいい友に恵まれた。

 妹に恵まれ、主に恵まれ、友に恵まれた。幸先のいいとは言えないこのリヒトという人生で与えられた些細な光。これからも共にあれるようにと切に願った。


 その後、ディアを送り届け、戻ってきたエーファ様に目が腫れているのを心配された上に、俺の返事と笑みに驚きながらも嬉しそうに目を細めてくれたのはまた別の話。



 それから約一週間。俺は自室で過ごすことを余儀なくされた。

 授業の内容はメアから逐一教えてもらった。座学は抜きんでているのでどんな内容かわかればいい程度だったのはよかった。それでも教師の冗談や授業で合った面白いことまで教えてくれたメアには感謝してもしきれない。

 三食のご飯の準備もメアがしてくれた。忙しいだろうに昼は購買で買って、わざわざ届けてくれるし、自分では作れないからと食堂の空いている時間に帰ってきては食膳を持ってきてくれる。そして一緒に食べながら、談笑もしてくれる。

 そして準備が整ったのか、その日の夕食の談笑は今までと違った。


「明日からディアナちゃんが登校できるようになったんだ」

「そうか」

「うん。父にも掛け合って、レオン様にもお願いしたんだ」

「助かる」

「それで、ディアナちゃんが巫女であることも公表されることになった。そしてこの学校で君が彼女の血の繋がった兄だということもすぐに知れ渡るはず」

「そうなれば欣幸の至りだな」


 二人とも知っているのだ。それが知れ渡った時の周囲の反響は今のところ机上の空論でしかないことを。この案が役に立たないこともあるかもしれない、更に悪い方向に転がるかもしれない。そう思ったらキリがない。


「ふふ、難しい言葉を知っているんだね」

「勉強の副産物だ。それにその言い方だと意味もどうせ知っているんだろ」

「うん。幸せなことを喜ぶことだね。でも、その幸せは本来平等にあるはずなんだから、そんなことで喜んでたら駄目だよ。当たり前を享受されるだけなんだから」

「そうだな」


 その当たり前すら与えられなかった今までの学校生活が思い出される。

 メアが言いたいことはそうではないとわかっているが、思考は陰鬱になっていく。


「リー」


 自然と下を向いた視線が名前を呼ばれることで上向く。


「だから、リーはもっと違う方向で幸せになって、その時に欣幸の至りだって言ってよ」

「それもそうか」


 口調が悪くても、端的にしか言えなくてもメアは俺の言葉の真意をわかってくれている。沈黙も悪くはないが、俺が話さない分も話してくれる。

 この世界で初めてできた友は唯一無二の代えがたい存在になっていた。

私の語彙力は授業中に遊んでいる電子辞書によって得ている似非モノです。誤用があったら恥ずかしい(/ω\)((

そっと教えてください。

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