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「えっと。お兄ちゃんが必要なら私、浄化魔法いつでも使うよ」


 話がころころと変わるので付いて行けていないディアは、俺とメア様を交互に見ると話が終わったようだと判断して先ほどの話を続ける。


「そんな面倒なことはしなくていい」

「面倒じゃないよ。お兄ちゃんが心配だもん……」


 妹って可愛いよな。ロリコンとかシスコンとかの話ではなくて、癒し効果があるという意味で。控えめに発言するディアは世間一般でも可愛いと言われるに違いない。身内贔屓なしでもそう思う。


「心配することなんてない。お前はお前のやるべきことをし続ければそれでいい」

「私がお兄ちゃんの役に立ちたいって言ってもだめ?」

「十分だ。それ以上は望まない」


 少し見ない間にあざとさを身に着けたようで、ディアに負けそうになる。

 事実、ディアには有事の際への対策をするという役目がある。とはいえ、皆にとって厄災は近々起こることしかわかっていないのだ。危機感というものがそこまでない。

 俺は知っている。このままいけば、夏ごろには厄災に見舞われるだろうってことを。そしてそれがリヒトの闇落ちしないとき、更にどうなるのか予測不能ということも。だから、余計なことは言わない。


「そっか……。じゃあ、何かあれば遠慮なく言ってね。絶対力になるから」

「ああ、助かる」


 ディアに対しても軽く礼を言うくらいならできる。端的でも言葉を選べばマイルドに言うことだってできるのだ。言い換えに頭を使うのでディアにしかそんな面倒なことはしないし、できないけれど。


「そういえば、ディアナはどうやって屋敷に戻るの? お母様と一緒に帰るのかしら?」

「あ、はい。ロアナ様が一緒に帰ってくれるそうです。送り届けた後は街で買い物してるっておっしゃっていました。呼んでくれれば駆け付けると言付かっています」

「わかったわ。なら、私と一緒に学校探検に行きましょうよ」


 エーファ様の唐突な申し出にディアは目を瞬かせている。心なしかきょとんとして嬉しいようだが状況に追いつけていないみたいだ。


「でも、いいのですか?」

「いいの、私と一緒なら。私の監督下にいるって言えば、多分大丈夫。もし駄目でもその時はその時よ」

「ご一緒したいです……!」


 控えめだがはっきりとディアは言い切る。よほど嬉しいのか、小刻みに左右に揺れている。こういうところはまだ幼い。


「先に出ていて。少しで私も行くわ」


 ディアはエーファ様の言葉の真意をきちんと理解したので、早々に退室する。幼くても頭の回転は速く、臨機応変さも兼ね備えている。いい子に育ったなと他人事のように思えてくる。

 その実、俺はこれから訪れるであろう未来から目を逸らしたかった。

これからちょっとはびーえるだせると思います。ちょっとだけ…………( ^ω^)…

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