心配
ある程度方向性が決まったのであげます。要所要所しか決めてないのでこれからも更新が急に少しの期間予告なく止まるかもです。申し訳ない。。
リヒトが倒れたのは入学して一か月ほど経った時分。
メアにとっては当然唐突なものだった。だが、慌ててもいられないので次々と指示をしていく。
「そこの君。彼の荷物を拾ったら、それを一年のエーファ・ベイリーに持っていって。リヒト・ホールが倒れたことも伝えておいて。君は保健室の担当に状況を伝えてきてくれ」
メアは倒れたリヒトの傍らにしゃがみ込むと、若干うつぶせになっている体勢から楽になるように動かす。その間も呼吸の乱れ、熱の有無、顔色などをみていく。
呼吸も安定しているし、熱もない。顔色はさすがに悪いが、それ以外に目立った原因はなさそうだ。そう判断をして彼を担いで保健室に向かう。
「メアくん。ここまで運んでくれて助かります。彼をこちらに」
「わかりました」
二人が通されたのは医療棟の簡易ベッドのある個室である。ベッドと棚以外には何もないような簡素な部屋。
メアはそのベッドにリヒトを寝かせると保険医に状況説明をする。
「彼は一年のリヒト・ホールという生徒です。僕と購買で会い、そのまま一緒に教室に戻っていた最中、急に倒れたんです。最近調子があまりよくなさそうだったのですけれど、彼は大丈夫でしょうか……?」
「状況から察するに、寝不足と思いますよ。入学してからの環境の変化に対応できなかったのではないでしょうか?」
診察を終えた保険医は、リヒトの体調不良は寝不足のようなものが起因したものだと考えた。顔色の悪さ以外に体外に顕著に表れた変化はないから。時期も入学してそんなに経っていない。環境の変化を理由に体調を崩す人は少なくないので、彼もその一人だろうと予測したのだ。
「寝不足ですか……。聞きたいのですが、彼ほどの身長であればどれくらいの体重が平均でしょうか?」
「彼の平均体重ですか?」
「はい。背は僕よりもこのくらい高いです」
自分の頭の上に手を掲げるようにしてリヒトの身長を表す。メアより5、6センチほどリヒトは高い。
「それくらいなら少なく見積もっても50キロ。君たちみたいに鍛えているのなら60はないと……。もしかして彼、軽かったのです?」
「ええ、少し小さい僕でも運べるくらいに……。リヒトは早朝に走っているのを見かけるので鍛錬をしていないわけではなさそうです」
「そうですか……。それならば、栄養失調気味なのかもしれませんね」
メアは数分前を思い出す。重いだろうと覚悟をして背負ったのに肩透かしを食らったように、見た目に反してリヒトは軽かった。男だから重いものの、必要以上に痩せているような、そんな気がしたのだ。
「メア様! リヒトが倒れたって聞いてっ!」
走ってきたのであろう。扉を開け放つと息もそぞろにリヒトのもとに駆け寄る。そして焦燥と心配と狼狽と入り混じっていた声で訴える。
「エーファ、落ち着いて。彼はまだ眠っているから」
「すっすみません。それでリヒトの容体は……!」
「寝不足と栄養不足だと思われます。ところで貴女は……?」
リヒトの体調不良が病気でないことを理解すると気が抜けたのか、強張っていた表情を緩める。そして慌てすぎて忘れていた自己紹介をする。
「あ、私はエーファ・ベイリーと申します。彼は私の専属執事です」
「貴女が彼の保護者ということですね。では、聞きたいことがあるのですがいいですか?」
「ええ、構いませんわ。何なりと」




